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名古屋地方裁判所 昭和45年(日)1898号 決定 1970年5月04日

主文

別紙接見等禁止一部解除申請書記載の物件の授受を許可する。

理由

申請人の本件接見等禁止一部解除申請の趣旨及び理由は、別紙記載のとおりであるから、茲に、これを引用する。

因つて按ずるに、いわゆる接見等禁止の裁判は被拘束者に対し為されたものであること明らかである。従つて、被拘束者に対し、刑事訴訟法第三九条所定の者以外の者が接見を許されず、又は、物件の授受を許されないとしても、右は、前示被拘束者に対するいわゆる接見等禁止裁判に基づく反射的不利益と云うべく、これについて、接見申出人及至物件の差入れ申出人が、独立に、その固有の権利として、被拘束者に対する接見等禁止の裁判の全部又は一部の取消解除の請求をすることは、許されない。

してみれば、本件大石妙子の為した接見等禁止一部解除申請は、不適法として排斥を免れない処である。

然し乍ら、職権により案ずるに、現在、被疑者室田謙之に対し、別紙解除申請記載の「少年マガジン」「少年キング」各一冊を差入れさせることについては、特段の支障も見出されない。

因つて、職権により、これを許すこととして、主文のとおり決定する。(鬼頭史郎)

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