大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

名古屋地方裁判所 昭和51年(わ)1506号 判決 1977年3月22日

本店の所在地

愛知県愛知郡東郷町大字春木字新池三九二二番地の二〇二

法人の名称

東郷金型有限会社

代表者の住居

名古屋市緑区神の倉四丁目二二八番地

代表者の氏名

廣瀬昭秀

本籍

名古屋市緑区神の倉四丁目二二八番地

住居

右同

会社役員

廣瀬昭秀

昭和一八年七月一一日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官岩田一出席のうえ審理をとげ、次のように判決する。

主文

被告会社を罰金四〇〇万円に

被告人を懲役六月に

それぞれ処する。

被告人に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となる事実)

被告会社は、愛知県愛知郡東郷町大字春木字新池三、九二二番地の二〇二に本店を置き、金型の製造業を営むもの、被告人は、同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、同被告人は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、昭和四八年五月一日から同四九年四月三〇日までの事業年度において実際課税所得金額が七、八二六万六、四三一円でこれに対する法人税額が二、七八〇万五、四〇〇円であるにもかかわらず、公表経理上架空外注費を計上し、売上の一部を除外する等して得た収入を家族名義で預金するなどして所得の一部を秘匿したうえ、昭和四九年七月一日名古屋市瑞区瑞町字西藤塚一番地の四所在昭和税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二、五三五万六、四九九円、これに対する法人税額が八三八万三、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて、右不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一、九四二万一、六〇〇円をほ脱した。

(証拠の標目)

右の事実は、被告人の供述及び証拠等関係カード(請求者等検察官)中、番号1ないし64の各証拠を総合して認める。

(法令の適用)

被告会社及び被告人の判示所為は、法人税法第一五九条第一項、第二項、第一六四条第一項に該当するところ、被告人につき懲役刑を選択し、被告会社については所定罰金額範囲内、被告人については所定刑期範囲内で、被告会社を罰金四〇〇万円、被告人を懲役六月にそれぞれ処し、諸般の情状を考慮し、刑法第二五条第一項を適用し、被告人に対しこの裁判確定の日から三年間、右刑の執行を猶予することとする。

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 橋本亨典)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例