名古屋地方裁判所 昭和59年(わ)226号 判決 1985年2月22日
本店の所在地
愛知県豊橋市前田町二丁目一九番地の八
法称
ダイエー観光株式会社
代表者の住居
愛知県豊橋市前田町二丁目一九番地の七
代表者の氏名
朴泰秀
国籍
韓国(慶尚南道梁山郡下北面白鹿里三五番地)
住居
愛知県豊橋市前田町二丁目一九番地の七
会社役員
松田泰秀こと朴泰秀
一九五〇年一二月一六日生
右両名に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官山田弘司出席のうえ審理し、次のとおり判決する。
主文
被告人ダイエー観光株式会社を罰金八〇〇万円に、同朴泰秀を懲役六月にそれぞれ処する。
被告人朴泰秀に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人ダイエー観光株式会社(以下「被告会社」という。)は、愛知県豊橋市前田町二丁目一九番地の八に本店を置き、パチンコ等の遊技場を営むもの、被告人松田泰秀こと朴泰秀は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括するものであるが、被告人朴は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上金の一部を除外する方法により所得の一部を秘匿したうえ、昭和五七年三月一日から昭和五八年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億四、五〇四万八四一円で、これに対する法人税額が五、八三三万二、七〇〇円であるのに、昭和五八年四月三〇日、同町一丁目九番地の四所在の豊橋税務署において、同税務署長に対し、所得金額が七、一一七万六、一三二円で、これに対する法人税額が二、七三二万八、一〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額と右申告税額の差額三、一〇〇万四、六〇〇円を免れ、もって、不正の行為により法人税を免れたものである。
(証拠の標目)
右の事実は、
一 被告人朴の当公判廷における供述
一 被告人朴の検察官に対する供述調書
一 被告人朴の大蔵事務官に対する質問てん末書一二通
一 宮崎俊昭の検察官に対する供述調書
一 本多克年(二通)及び宮崎俊昭の大蔵事務官に対する各質問てん末書
一 登記簿謄本、捜査報告書、脱税額計算書二通、査察官調査書、証明書三通及び写真撮影報告書三通
を綜合して認める。
(法令の適用)
被告会社の判示所為は法人税法一六四条一項、一五九条一項に、被告人朴の判示所為は同法一五九条一項に各該当するところ、被告会社については、その免れた税額が五〇〇万円を超えるので、情状により同法一五九条二項を適用し、その所定金額の、被告人朴については、所定刑中懲役刑を選択し、その所定刑期の各範囲内で、被告会社を罰金八〇〇万円に、被告人朴を懲役六月にそれぞれ処し、被告人朴に対し、情状により刑法二五条一項を適用してこの裁判の確定した日から三年間右刑の執行を猶予することとする。
よって、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 橋本享典 裁判官 服部悟 裁判官 矢田廣高)