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名古屋地方裁判所 昭和62年(わ)1818号 判決 1988年2月08日

本店所在地

名古屋市中区栄四丁目三番一〇号

法人名称

中日観光株式会社

代表者住居

右同

代表者氏名

重倉広幸

本籍

同中区栄四丁目三番

住居

右同番一〇号

職業

会社役員

重倉広幸

大正一二年一二月一三日生

本籍

同中区栄四丁目三番

住居

右同番一〇号

職業

会社役員

重倉えい子

昭和一四年六月三〇日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官須田信行出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人中日観光株式会社を罰金四〇〇〇万円に、被告人重倉広幸を懲役一年六月に、被告人重倉えい子を懲役一年に、それぞれ処する。

被告人重倉広幸及び同重倉えい子に対し、この裁判確定の日から三年間、それぞれその刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人中日観光株式会社(以下「被告会社」という。)は、名古屋市中区栄四丁目三番一〇号に本店を置き、中国料理店等を営むもの、被告人重倉広幸は、被告会社の代表取締役として、その業務全般を統括しているもの、被告人重倉えい子は、被告会社の取締役として、被告人重倉広幸の右業務を補佐しているものであるが、被告人重倉広幸及び同重倉えい子は、共謀の上、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外するなどの方法により、所得の一部を秘匿した上、

第一  昭和五八年五月一日から同五九年四月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億三一〇四万九九六六円であり(別紙1修正損益計算書記載のとおり)、これに対する法人税額が五四一二万二九〇〇円である(別紙2脱税額計算書記載のとおり)のに、同五九年六月二九日、名古屋市中区三の丸三丁目三番二号所在の名古屋中税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二六八一万九一七七円であり、これに対する法人税額が八九九万一三〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額四五一三万一六〇〇円を免れ、

第二  同五九年五月一日から同六〇年四月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億四六九三万一八六三円であり(別紙3修正損益計算書記載のとおり)、これに対する法人税額が六〇八三万九五〇〇円である(別紙4脱税額計算書記載のとおり)のに、同六〇年六月二九日、前記名古屋中税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二六七八万二一六五円であり、これに対する法人税額が八八一万五〇〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額五二〇二万四五〇〇円を免れ、

第三  同六〇年五月一日から同六一年四月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億四九一一万七五五九円であり(別紙5修正損益計算書記載のとおり)、これに対する法人税額が六一九二万一二〇〇円である(別紙6脱税額計算書記載のとおり)のに、同六一年六月二五日、前記名古屋中税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二八〇七万八七三四円であり、これに対する法人税額が九五一万一三〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額五二四〇万九九〇〇円を免れ、

もって、いずれも不正の行為により法人税を免れたものである。

(証拠の標目)

判示事実全部につき

一  被告会社代表者兼被告人重倉広幸及び被告人重倉えい子の当公判廷における各供述

一  被告会社代表者兼被告人重倉広幸及び被告人重倉えい子の検察官及び大蔵事務官に対する各供述調書ないし各質問てん末書

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料

一  名古屋法務局登記官作成の登記簿謄本

判示第一事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲2号証)及び各証明書(検甲6、同10号証)

判示第二事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲3号証)及び各証明書(検甲7、同11号証)

判示第三事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲4号証)及び各証明書(検甲8、12号証)

(法令の適用)

被告会社及び各被告人の判示各所為は、各事業年度ごとに法人税法一五九条一項(被告会社については、さらに同法一六四条一項)に該当するところ、被告会社については情状により同法一五九条二項を適用し、被告人重倉広幸及び同重倉えい子については所定刑中各懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、被告会社については刑法四八条二項により合算した金額の範囲内において罰金四〇〇〇万円に、被告人重倉広幸及び同重倉えい子については、いずれも同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第三の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で、被告人重倉広幸を懲役一年六月に、被告人重倉えい子を懲役一年に、それぞれ処し、被告人重倉広幸及び同重倉えい子に対し、同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間、それぞれの刑の執行を猶予することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 安江勤)

別紙1 修正損益計算書(犯則額修正)

自 昭和58年5月1日

至 昭和59年4月30日

<省略>

別紙 2

<省略>

<省略>

別紙 3 修正損益計算書(犯則額修正)

自 昭和59年5月1日

至 昭和60年4月30日

<省略>

別紙 4

<省略>

<省略>

別紙 5 修正損益計算書(犯則額修正)

自昭和60年5月1日

至昭和61年4月30日

<省略>

別紙 6

<省略>

<省略>

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