名古屋地方裁判所 昭和62年(わ)562号 判決 1987年6月12日
本店所在地
名古屋市東区東桜二丁目一三番一七号
秀一寿し株式会社
右代表者代表取締役
原木こと
黄淳一
国籍
朝鮮(慶尚北道大邱市南区南山洞一四五番地の六)
住居
名古屋市中区新栄二丁目三六番六号
会社役員
原木こと
黄淳一
一九四六年六月一二日生
右両名に対する法人税法違反被告事件につき当裁判所は検察官大西平泰出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。
主文
被告人秀一寿し株式会社を罰金八〇〇万円に処する。
被告人黄淳一を懲役一年に処する。
被告人黄淳一に対しこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人秀一寿し株式会社(以下「被告会社」という。)は、名古屋市東区東桜二丁目一三番一七号に本店を置き、飲食店の経営等を業とするもの、被告人原木淳一こと黄淳一は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人原木淳一こと黄淳一は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外するなどの方法により所得の一部を秘匿した上
第一 昭和五八年六月一日から同五九年五月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が二八八九万九〇七〇円であり、これに対する法人税額が一一五二万九二〇〇円であるのに、同年七月三一日、名古屋市東区主税町三丁目一八番地所在の名古屋東税務署において、同税務署長に対し、所得金額が八〇万六八二九円であり、これに対する法人税額が二四万九八〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一一二七万九四〇〇円を免れ
第二 同五九年六月一日から同六〇年五月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が三七一七万一二三円であり、これに対する法人税額が一五一一万六〇〇円であるのに、同年七月二六日、前記名古屋東税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一六万七六〇八円であり、これに対する法人税額が五万一七〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一五〇五万八九〇〇円を免れ
もって、それぞれ不正の行為により法人税を免れたものである。
(証拠の標目)
被告人黄淳一の当公判廷における供述のほか、記録中の証拠等関係カード(検察官請求分)に記載されている次の番号の各証拠
甲の2ないし4、7、13ないし20
乙の2ないし11
(法令の適用)
罰条
判示各所為について
被告会社 各法人税法一五九条、一六四条一項
被告人黄淳一 各法人税法一五九条
刑種の選択 懲役刑(被告人黄淳一)
併合罪の処理 刑法四五条前段(被告人両名)、四七条本文、一〇条(被告人黄淳一)、四八条二項(被告会社)
刑の執行猶予 刑法二五条一項(被告人黄淳一)
よって、主文のとおり判決する。
(裁判官 笹本忠男)