名古屋地方裁判所一宮支部 平成16年(モ)19号 決定 2004年6月30日
愛知県一宮市●●●
申立人(原告)
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上記訴訟理人弁護士
瀧康暢
名古屋市中区錦三丁目20番27号
相手方(被告)
株式会社セントラルファイナンス
上記代表者代表取締役
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上記訴訟代理人弁護士
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同
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主文
相手方は,本決定送達の日から14日以内に,別紙文書目録記載の文書を提出せよ。
理由
第1申立の趣旨及び理由
別紙文書提出命令申立書記載のとおり
第2当裁判所の判断
1 本件基本事件は,申立人が,平成2年(1990年)ころから貸金業者である相手方から金員を借り入れ,これに対する弁済をしてきたところ,利息制限法に基づいて制限利息超過額を充当すると過払金が発生しているとして,その返還を求めている事案であり,申立人において,提出を求める文書(以下「本件文書」という。)が民事訴訟法220条3号後段の文書に該当することは明らかである。
2 相手方は,本件基本事件において,申立人主張のころから,申立人と相手方との間で取引があったことは認め,平成5年4月30日以降の約10年分の取引経過について既に開示しているところ,同事件が提起された平成15年12月9日から10年分以前については,仮に過払金が存在し,不当利得返還請求権があったとしても,消滅時効を援用すると主張し,そのため,10年以上遡る本件文書を開示する必要はない旨主張している(答弁書)。これは,要するに,相手方において,消滅時効を援用しているから,10年以上前の取引経過にかかる本件文書については,証拠調べの必要性がないという趣旨と理解できる。
しかし,相手方の上記時効の主張が認められるか否かは,本件基本事件における判断によって決っせられるものであって,時効の主張をしたことにより,当然にそれ以前の取引経過に関する証拠を調べる必要性がないという理由にはならない上,仮に相手方の時効の主張が認められることを前提としても,時効にかかる不当利得返還請求権の範囲・金額は,全取引経過が明らかにならなければ特定できないものであるから,相手方の主張には理由がない。
3 そして,相手方は本件文書の存在を認めているから(第2回弁論準備手続調書),これを所持しているものと認められる。
4 よって,主文のとおり決定する。
(裁判官 關紅亜礼)
別紙
文書目録
1、文書の表示
相手方が所持する,その業務に関する商業帳簿(貸金業法19条に定める帳簿)又はこれに代わる同法施行規則16条第3項・17条第2項に定める書面の中,相手方と申立人との間の継続的消費貸借の取引開始時から平成5年4月30日までの期間内における金銭消費貸借取引に関する事項(貸付年月日・貸付金額及び返済年月日・返済金額)が記載された部分の全部(電磁的記録を含む)
2、文書の趣旨
上記文書は,申立人と相手方との間の借入及び返済の経過を記載しているものである。
以上