名古屋家庭裁判所豊橋支部 昭和３７年（少）６９２号 1962年12月15日
主文
少年を中等少年院に送致する。
理由
（非行事実）
少年は、
第一 (1) 昭和三七年一一月一〇日午前一〇時二〇分頃、東京都新宿区○○×丁目××番地第○△△荘一階○号室において、○村○二所有の女物着物外衣類等五点位（時価七、九〇〇円相当）を窃取し、
(2) 同日午後零時四〇分頃、同荘二階○号室において、川○雅○所有の背広上下一着外衣類等一九点（時価二三、九〇〇円相当）を窃取し、
第二 同月一一日午前一一時頃、浜松市○○町××コート入口△△組土建仮事務所前において、○林○助所有の中古男子用自転車一台（時価一〇、〇〇〇円相当）外三点（時価二〇〇円相当）を窃取したものである。
（法令の適用）
上記の各窃盗の事実は刑法第二三五条に該当する。而して、少年は中学校三年生の時に母親と死別し、父親と弟は結核のため現在道立釧路療養所において療養中であり、尼崎市に在住する叔父の○谷○夫を除いて他に適当な身柄引受人がないが、同人も当日の審判に出席しなかつたので衝動的で放浪癖のある少年を委託補導に付することも適当でないので、少年院に収容するのが相当であると考え、少年法第二四条第一項第三号、少年審判規則第三七条第一項、少年院法第二条第三項を適用し、主文のとおり決定する。