名古屋高等裁判所 平成14年(ネ)217号 判決 2003年7月17日
主文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は1審原告の負担とする。
事実及び理由
(以下,略語は原判決に準ずる。)
第1当事者の求めた裁判
1 1審原告
(1) 原判決を取り消す。
(2) 甲事件
1審被告あいおいは,1審原告に対し,1億9693万円及びこれに対する平成10年8月12日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
(3) 乙事件
1審被告農協は,1審原告に対し,2億4000万円及びこれに対する平成10年12月1日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
(4) 丙事件
1審被告三井住友は,1審原告に対し,2億2656万3678円及びこれに対する平成10年12月4日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
(5) 訴訟費用は第1,2審とも,甲事件については1審被告あいおいの,乙事件については1審被告農協の,丙事件については1審被告三井住友の各負担とする。
(6) 仮執行宣言
2 1審被告ら
主文同旨
第2事案の概要
1 本件は,本件建物において衣料品の卸小売販売等を営む1審原告が,1審被告らとの間で締結していた本件各(損害)保険契約〔1審被告あいおいとの間では店舗総合保険(保険の目的は建物)・店舗休業保険(保険の目的は営業),同農協との間では建物更生共済・火災共済(保険の目的は建物),同三井住友との間では店舗総合保険(保険の目的は収容品一式)。以下,共済(契約)を含めて「保険(契約)」ともいう。〕に基づき,平成10年5月6日午前2時30分ころ発生した本件火災により保険目的である本件建物,建物内収容品一式が損傷を受け,本件建物での営業に損害が生じたとして,1審被告らに対し保険金(共済金を含む。以下同じ。)及び請求の後の日からの遅延損害金(年6分)の各支払を求めたのに対し,1審被告らが,故意又は重過失により保険事故が生じたとの免責条項に該当すること,保険金不正取得目的の契約締結であって公序良俗違反により無効であること等を主張して争った事案である。
原審は,本件火災が,1審原告によって故意に招致されたものと認定し,本件各保険契約の免責条項に該当する事由があるとして,1審原告の請求をいずれも棄却したので,1審原告が事実誤認を主張して控訴した。
当審において,上記争点に加えて,本件各保険契約における火災事故に関し,偶然による事故であることの立証責任の所在も争われた。
2 争いのない事実等,双方の主張及び本件の争点は,当審での主張も踏まえて次のとおり改めるほかは,原判決「事実及び理由」の「第2 事案の概要及び争点」の1ないし4のとおりであるからこれを引用する。
(1) 原判決3頁25行目を「1 争いのない事実等(証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実を含む。)」と,4頁4行目の「締結した。」を「締結した(同契約締結当時の保険者は千代田火災海上保険株式会社であったが,平成13年4月2日に同社を吸収合併した1審被告あいおいがその権利義務を承継した。以下便宜上,合併前の事実に関する千代田火災海上保険株式会社についても「1審被告あいおい」と表示する。)。」と,13行目の「締結した。」を「締結した(同契約締結当時の保険者の商号は三井海上火災保険株式会社であったが,平成13年10月1日に現商号へ変更された。以下便宜上,商号変更前の事実に関しても「1審被告三井住友」と表示する。)。」とそれぞれ改める。
(2) 原判決4頁16行目の末尾に改行して次を加える。
「(d) 本件各保険契約においては,普通保険約款として,要旨,次の合意が含まれている(甲イ1,2,甲ロ6,7,甲ハ15)。
ア 保険会社(又は組合)は,次の事故によって保険の目的について生じた損害に対して,損害保険金を支払う。
(ア) 火災
((イ)以下省略)
イ 保険会社(又は組合)は,次に掲げる事由によって生じた損害に対しては,保険金を支払わない。
(ア) 保険契約者(保険契約者が法人であるときは,法人の業務を執行する機関)の故意又は重大な過失によって生じた損害
((イ)以下省略)」
(3) 原判決5頁2行目及び23行目から24行目にかけての各「故意または重過失」を「1審原告代表者の故意又は重過失」と改め,21行目の末尾に次を加える。
「また,本件火災は,1審原告代表者の故意により生じたものであるから,1審被告農協は1審原告に対し共済金の支払義務を負わない。」
(4) 原判決6頁4行目から14行目までを次のとおり改める。
「 本件火災は,1審原告代表者又はその意を受けた者による放火であるから,1審被告らは保険金の支払義務を負わない。また,本件各保険契約は,1審原告において,放火等の不正な方法によって保険金を取得する目的で締結したものであるから,公序良俗に反して無効である。
本件各保険契約においては,保険事故の1つとして「火災」を定めているが,その火災は偶然の事故によるものであることを前提としているから,保険金請求者は,火災が偶然の事故によることについて,立証責任を負うものである。」
(5) 原判決6頁18行目から20行目までを次のとおり改める。
「(b) 1審被告らが1審原告と交わした本件各保険契約によれば,火災により保険の目的について損害が生じた場合に,1審被告らにおいて保険金支払義務を免れるためには,上記免責条項に該当する事実の立証責任を果たすことが必要である。本件についていえば,本件火災が1審原告代表者の放火によるものである事実を立証した場合に,初めて保険金の支払を免れるものである。しかし,本件火災は本件建物への侵入者による放火ではあるが(以下「本件放火」という。),その侵入者が1審原告代表者又はその意を受けた者であることを認める証拠はない。そして,本件放火の目的は,窃盗犯人による犯跡隠蔽目的又は鬱憤晴らし目的によるもの,あるいは1審原告又はその代表者等に対する怨恨によるものである可能性が否定できないから,1審原告代表者等による保険金目的の放火であると推認することもできない。」
(6) 原判決7頁20行目から22行目までを次のとおり改める。
「4 本件の争点
(1)ア 本件各保険契約による保険金請求権の発生のためには,1審原告において火災が偶然の事故によることの立証責任を負うか〔逆に1審被告らにおいて,「保険契約者(法人であるときは,法人の業務を執行する機関)の故意又は重大な過失によって生じた損害」であること(以下「故意免責条項」という。)の立証責任を尽くさないと保険金支払義務を免れないか。〕。
イ 本件火災は,1審原告代表者又はその意を受けた者による放火であるか。
ウ 本件各保険契約は,1審原告において,放火等の不正な方法によって保険金を取得する目的で締結したものであるか。」
第3当裁判所の判断
1 当裁判所は,本件放火については1審原告代表者又はその意を受けた者による放火であることが推認できるから,本件各保険契約における「(偶然の)事故」の立証責任の所在について判断するまでもなく,1審原告の本件各保険金請求はいずれも理由がないと判断する。その理由中,争点に対する判断は次項以下のとおりである。
2 争点判断の前提となる事実
上記については,当審での主張・立証も踏まえて,次のとおり改めるほかは,原判決「事実及び理由」の「第3 争点に対する判断」の1のとおりであるからこれを引用する。
(1) 原判決8頁7行目を次のとおり改める。
「1 本件火災は1審原告代表者又はその意を受けた者による放火であるか(争点(1)のイ)について」
(2) 原判決9頁15行目の「自動車で逃走した」を「乗用車を急発進させて逃走した」と,19行目の「本件火災においては,」を「本件火災においては,119番通報した第1発見者によって本件建物の火災報知器が作動して鳴ったことが確認されているが,」と,10頁2行目の「存在しないこと,」から4行目までを次のとおりそれぞれ改める。
「存在しないだけでなく,1審原告代表者が最終的に述べる盗難被害品がハンガー付き婦人服80着であるとすると,それほどの量の婦人服を複数の犯人が乗車した乗用車に積んで搬出するのは無理であって,盗難の事実自体が疑わしいものであるのに,1審原告代表者はもう1台の自動車が存在すれば可能であると供述して,裏付け証拠のない事実を根拠とした供述をしていること,」
(3) 原判決10頁6行目の「高価品」を「少数の高価品」と,7行目の「高価品のみ」から9行目までを次のとおりそれぞれ改める。
「少数の高価品だけが窃取されたことは,放火犯人が本件建物内の少数の高価品の保管場所を予め知っていたことを窺わせるものであること,」
(4) 原判決11頁10行目の「保険の目的が在置する」を「保険目的の什器備品・商品等が存在した」と改め,12頁8行目から13頁3行目までを削り,14頁11行目の「原告代表者は,資金不足を理由として,」を「1審原告代表者は,上記保険料合計35万1500円を支払う資金に窮していたため,」と,17頁20行目の「 本件建物内の在庫商品については」から18頁1行目までを次のとおりそれぞれ改める。
「 本件建物内の平成10年1月31日決算期の在庫商品について,1審原告は決算報告書中の貸借対照表記載の約1億8012万円の商品が存在したものであって粉飾はないとするが,後記のとおり,1審原告の決算には多くの粉飾があり,商品についても同決算期の在庫には少なくとも1億3012万円の粉飾があり,在庫の実額は5000万円までであったと推認され(甲イ113,122,甲ハ4,5),これに什器備品2115万円(甲ロ11の2・平成10年1月31日付貸借対照表の工具器具備品の額)を加えても,本件建物収容品一式に対する1億8000万円の保険金額は超過保険となっていることが明らかであること,」
(5) 原判決18頁2行目の「本件建物の価値は,最大でも」を「本件建物の価値は,最大(基礎を含めた再調達価額)でも」と,15行目の「7億9812万0000円」を「7億9812万9000円」と,20頁5行目から6行目にかけての「原告の債務超過額は金6億3000万0000円余りとなり,」を「1審原告の債務超過額は約6億2000万円を下らず,」と,15行目から16行目にかけての「銀行借入残高は金11億3000万0000円である。」を「銀行借入残高は約11億2674万円である。」と,25行目の「1か月で」から21頁1行目までを「1か月で2千数百万円もの現金が,1審原告代表者及びその親族から1審原告へ流入していること,」と,3行目の「平成元年ころから」を「平成2年から」とそれぞれ改める。
3 故意免責条項該当性
上記判示の事実,特に,①本件放火は,本件建物の在庫商品の焼損を目的としたものと見られること,②本件建物を最後に出て施錠したのは1審原告代表者であること,③本件建物の火災報知器は作動したのに,自動防火シャッターは作動しなかったこと,④1審原告代表者は,本件火災直後から盗難と説明しているが,これを裏付ける証拠はなく,逆に盗難とするには不自然な点が多いこと,⑤1審原告代表者は,セコムの担当者から本件建物について警備契約を勧められたがこれを断って,本件建物以外の店舗についての契約をしていること,⑥1審原告は,平成7年3月,そのころ賃借していた店舗建物内の什器備品や商品を目的とする店舗総合保険契約により,建物の放火による4000万円近い保険金を取得し,その際も,1審原告代表者は窃盗被害を主張していたこと,⑦1審原告は,保険料支払資金不足を理由に本件甲1及び甲2の保険契約と同種の損害保険契約の継続を断りながら,本件火災の前2か月ないし10日の間に,1審原告代表者自ら申し出て,本件甲1及び甲2の各保険契約を締結し,そのころ,これも自ら説明を求め,自らの生命保険契約を一部解約するまでして本件乙保険契約を締結し,これも自ら申し出て,本件火災直前に本件丙2の保険契約を締結したこと,⑧本件火災当時,本件建物内の収容品一式についてはその実額の2倍を超える損害保険契約が締結されており,本件建物についても再調達価額を大幅に超える保険契約の対象とされており,いずれも明らかに超過保険となっていたこと,⑨1審原告は,平成10年に至るまでに,売上が激減し,借入は高額となり,多額の債務超過であるのに粉飾決算をし,特に保険の対象となっていた在庫商品も大幅な水増しがされており,その経営は深刻な資金不足に陥っていたこと等を総合すれば,本件放火は,第三者によるものとは考えにくく,保険金取得を目的として,1審原告代表者又はその意を受けた者によるものと推認せざるを得ないところである。
4 1審原告の当審での主張等について
(1) 1審原告は,本件放火が保険金取得以外の目的(窃盗犯人が犯跡隠蔽ないし鬱憤晴らしのためにする放火又は1審原告に対する怨恨による放火等)による可能性を否定できない以上,保険金目的の放火であることは推認できないと主張するので検討する。
ア 1審原告は,本件火災が,店内を荒らされた様子もなく窃盗が目的ではないとする消防署の火災原因判定(甲イ18)を批判する。
しかし,原審で提出された本件火災直後の本件建物内の写真(甲ハ8,9)のほか,当審で提出された同写真(甲イ125,乙57,58)によると,本件建物内で現金等の小物高価品が存在する可能性のある事務室等では,机の抽出やロッカー等の戸が開けられた形跡が全くないと認められ,本件放火の犯人は現金等の小物高価品を狙ったものとは考えられない。
イ 1審原告は,甲イ第125号証の36番1の写真の奥には燃え落ちた婦人服が落下して重なり合って盛り上がっているが,手前には燃え落ちた婦人服がほとんどないから,これは婦人服が盗まれた客観的証拠であると主張する。
しかし,同写真の奥と手前に写っている婦人服の燃え殻の量は,1審原告の主張するほど顕著な差異があるとはいえない。1審原告代表者は高級婦人服が盗まれた場所を原審で図面に記載して指摘していたのに(原審記録6816丁の図面の④),当審ではそれと異なる婦人服の盗難場所を指摘するものであるが,窃盗犯人による放火を力説してきた1審原告代表者が,重要な婦人服盗難場所について記憶違いをすることは考え難い。上記写真は婦人服盗難の客観的証拠であるとはいえない。
ウ 1審原告は,甲ハ第8号証の15番ないし20番の写真によると,本件建物北側のラックにハンガーで吊されていた衣類がことごとく落下しており,これは消防士の行為ではなく,放火犯人が故意に落下させたものであると主張する。
しかし,消防署の実況見分調書(甲イ19の1)によると,衣類は火元に近いものは焼け焦げ,火元から離れるにしたがい原形をとどめ,その場に落下していたと記述されており,落下の原因について何ら疑問を呈する記述がないことが認められ,衣類の落下は消防車の放水圧力等の消火活動に伴って起こったものであって,消防士としては異変として捉えるべき出来事ではなかったと見るのが合理的であり,これが放火犯の仕業であるとする根拠はない。
エ また,原判示の事実によると,本件放火の犯人は複数であり,乗用車で逃走したものと認められ,深夜,本件建物へ侵入しながら,金品等の小物高価品を狙わなかったのであるから,窃盗目的であるとすれば,大量の商品を盗む目的であったと考える以外にないところ,放火犯人の移動手段が貨物自動車ではなく乗用車であった事実は,大量の商品を盗むとの目的と矛盾する。
オ 1審原告は当審に至って,怨恨による放火の可能性が否定できないと主張するが,1審原告代表者は,窃盗犯人による犯行を力説してきただけであって,怨みを買う覚えがあることの具体的供述をしていない。
カ かえって,証拠(甲イ18,19の1ないし6,甲イ126,乙24の資料4-1,乙57,58,原審1審原告代表者)によると,本件建物は,1階が防火シャッター2枚によってほぼ等面積の3ブロックに仕切られ,2階は階段上の防火戸によって1階と仕切られる構造になっていたが,これまでに1度も防火シャッターを下ろしたことがなかったこと,本件建物付近は問屋団地であるため,夜間は殆ど人通りがないが,本件火災の発生した夜は,たまたま南隣のガソリンスタンド店員が勤務先前の路上に停止させた自動車内で夜を明かそうとしたため,本件建物の火災報知器の音を聞きつけ,乗用車が急発進して逃走するのを目撃したものであること,本件放火の犯人は,本件建物1階を3等分した場合の東側と西側の両ブロックの中央ブロック寄り2か所において,展示されていた衣類に着火し,2階倉庫の商品置場においても衣類に着火したこと,2階東側の出口ドアのロックは,内側に貼り付けられたガムテープをはがして開けられたものであり,放火犯人が内側から外へ出るために開けたものであること,以上の事実が認められる。
これらの事実と原判示の事実を総合すると,本件放火の犯人は,火災報知器を予め停止させるほどの周到な準備はしていなかったものの,本件建物が1,2階とも炎上するように適切な場所を選んで放火しており,首尾よく現場から退避したが,たまたま近くに人がいたため,早期に火災が発見されて全焼には至らなかったものといえる。してみれば,本件放火は,本件建物とその内部の商品を全焼させる目的で,内部犯行を疑わせないように,計画的に実行されたものと推認することができ,怨恨や憂さ晴らしによる衝動的犯行,病的犯行あるいは窃盗犯人による犯行と見ることはできない。そして,直前に1審原告において高額な複数の保険契約を締結していることを考慮すると,本件放火は,保険金取得を目的として,本件建物とその内部の商品を全焼させる目的で計画的に実行されたものと考えるのが極めて合理的である。
(2) 1審原告は,多数の店舗によって事業を展開する企業家にとって保険金取得経験があるのは何ら不自然なことではないし,1審原告の業績が不振であること及び銀行融資を受けるために粉飾決算をすることは,昨今はどの中小企業にも当てはまることで,当審において客観的に証明された本件火災直前事件の発生を踏まえれば,1審原告が店舗と商品に十分な火災保険をかけたことには何ら不自然な点はない等と主張する。
しかし,上記3において判示した諸点を考慮すれば,1審原告の前回保険契約による保険金取得経験と本件各保険契約締結時における1審原告の経営状態の異常さは,付保動機の非正常性,新規保険契約と本件火災との異常な近接性と相まって,本件放火と1審原告代表者とを結びつける重要な間接事実というべきであって,1審原告の上記主張は採用できない。
〔なお,1審原告は,弁論終結後に提出した準備書面において,本件放火により,最大で3億3000万円の保険金(本件建物の再調達価額2億8000万円と本件建物内の商品等5000万円)及び月額50万円の休業補償が得られるに過ぎず,6億3000万円の債務超過の会社を抱えた1審原告代表者の保険金目的の放火の動機としては不十分であると指摘するが,上記(原判示)のとおり,1審原告代表者は,1審被告農協に対し,本件甲1の保険契約の存在を告げた上で,本件乙1,2の建物更生共済及び同3の火災共済を締結する等したものであるから,本件建物の火災保険として契約額満額が給付されると考えていた可能性が十分にあり,在庫商品については決算書記載のとおり1億8000万円余を認めさせられると考えていたことも窺えることに加え,上記したとおりの1審原告の逼迫した財務状態を考慮すると,1審原告代表者による保険金取得目的での放火の動機は十分に成り立ちうるといえ,上記指摘に係る主張がされたと仮定しても採用できないものであることを付言する。〕
5 したがって,1審被告ら主張の故意免責の主張は理由があり,1審原告の本件各保険金請求は,その余の点につき判断するまでもなく理由がない。
第4結論
よって,1審原告の請求をいずれも棄却した原判決は相当であるから,本件控訴を棄却し,控訴費用を1審原告に負担させることとして,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 田村洋三 裁判官 小林克美)
裁判官 戸田久は転補につき署名押印できない。 裁判長裁判官 田村洋三