名古屋高等裁判所 平成23年(行コ)23号 判決 2011年7月15日
主文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第3当裁判所の判断
1 当裁判所も、本件訴えのうち、本件総代会決議の取消しの義務付けを求める部分を却下し、控訴人のその余の請求をいずれも棄却すべきものと判断するが、その理由は、次のとおり、削除、訂正するほかは、原判決「事実及び理由」欄の第3に記載のとおりであるからこれを引用する。
(原判決の訂正)
(1) 原判決23頁1行目から2行目にかけての「同項の趣旨に沿うものとして」を削除する。
(2) 同23頁6行目から7行目にかけての「同項の趣旨には反しないものと認められるというべきである」を「同項に反しないものというべきである」と改める。
(3) 同23頁10行目冒頭から13行目末尾までを次のとおり改める。
「以上によれば、処分行政庁が、理事長職務執行者である控訴人以外の者であり監事職務執行者であるBが役員選任に係る議案を総代会に提出したことを捉えて本件決議を取り消さなかったことに何らの瑕疵もないというべきである。」
(4) 同24頁25行目の「処分行政庁は」から25頁2行目の「役員から聴き取りを行ったりしたこと」までを次のとおり改める。
「被控訴人担当者のEが平成21年6月5日に控訴人に対し、本件総代会取消請求の理由は、本件文書の内容の虚偽、監事による招集、招集者以外の者による開会宣言、理事長以外の者による役員選任議案の提出の4点であることを確認し、これらを証明する証拠があれば同月8日までに提出するように要請したこと、被控訴人担当者のEが平成21年6月5日に理事長であるFから本件総代会に至る経緯等に関する資料の有無について聴き取りを行ったこと」と改める。
(5) 同25頁7行目冒頭から8行目末尾までを次のとおり改める。
「この点、控訴人は、控訴人に対する調査の復命書が存在しない旨主張するが、控訴人に対する調査の復命書はないものの、上記認定のとおり、被控訴人担当者のEが控訴人から聴き取りを行っていることからして、同復命書がなかったからといって、必要な調査が行われていないとはいえない。
また、控訴人は、処分行政庁は、控訴人が本件招集請求のために集められた署名の有効性を問題としているにもかかわらず、Fを除き、各組合員にも調査していないとも主張するが、被控訴人担当者のEが、本件招集請求における○○地区の組合員を除く組合員の署名は、157名であること、それのみで、本件改良区の組合員数の5分の1(85名)を優に超えていることを確認していること(乙9)からすると、それ以上に各組合員に調査すべき必要性はなかったと認められるから、F以外の各組合員に対して調査をしなかったからといって必要な調査がなされなかったとはいえない。
したがって、処分行政庁が必要な調査を行わずに本件処分を行ったとは認められず、これに反する控訴人の主張は採用することができない。」
2 よって、原判決は相当であって、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 高田健一 裁判官 内田計一 中丸隆)