名古屋高等裁判所 昭和24年(控)1066号 判決
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(要旨)證據調の請求をするには、證明すべき事實を表示してこれをしなければならないことは、刑事訴訟規則第一八九條に定むるところであるが、これは裁判所が證據調の採否の决定をしたり又は相手方が防禦方法を講ずるにつき、不便又は不利益を來さないために設定された規則で、との立證趣旨の表示が全くないか又は不明のときは裁判所はその證據調を却下し得るに止まるものであつて、裁判所が右の如き證據調請求があつたに拘らずこれを採用して證據調を爲し、相手方も何等異議を申立てなかつたときは立證趣旨が不明であるというだけの理由で判决に影響を及ぼすべき違法があるとは言えないすべての證據は立證趣旨の範圍内に於てのみ證明力があると言うわけのものではなく、裁判所は立證趣旨に拘束さることなく自由心證に基き公訴事實の如何なる點についても、證據の證明力を認め得るものであるから、立證趣旨が不明不備であつてもその證據に何等の證明力もないと解することはできない。從つて本件において證據調の請求について立證趣旨が具體的に明示されなかつた違法があつたとしても、それは判决に影響しないことが明らかであるから、論旨は全く理由がない。