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名古屋高等裁判所 昭和24年(控)1643号 判決 1950年4月28日

被告人

野村サツ子

主文

本件控訴を棄却する。

理由

弁護人佐藤正治の控訴趣意第一点について。

(前略)又原審第二囘公判調書によれば被告人の檢察官に対する供述調書についての証拠調の請求が本件犯罪事実に関する他の証拠の取調前になされたことは所論の通りである然し刑事訴訟法第三百一條の法意は裁判官が犯罪事実に関する他の証拠の取調前に公判外における被告人の自白に接触して以て當該犯罪事実に対する予断を抱くに到ることを阻止しようとするにあるからその取調請求が他の証拠の取調前若くは取調の請求と同時になされたとしてもその取調自体が當該訴訟の段階において存する他の証拠の取調後に行われておれば右の法條に違反せぬものと解すべきところ原審第三囘公判調書(本件記録第百五丁參照)によつて明かなように被告人の檢察官に対する供述調書の取調は証拠調の最終において行われているのであるから原審の処置に違法な点はない。

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