名古屋高等裁判所 昭和24年(控)1646号 判決 1950年2月02日
被告人
石原育郞
主文
原判決を破棄する。
以下省略
理由
武藤弁護人の控訴趣意第一点について。
本件起訴状の末尾に「追而本件は犬山区檢に移送した記録第五四八〇を参照されたい」との記載のあることは所論の通りであるが斯る記載内容自体は、裁判官に本件被告事件につき予断を生ぜしむる虞があるとはいわれない。蓋し「犬山区檢に移送した記録第五四八〇」が如何なる内容のものか全く不明であるから斯る附記は実に無意味なものといわざるを得ない。故に起訴状として斯る附記が無いに如くはないけれども、之れがある故に刑事訴訟法第二百五十六條第六項に違背する無効の起訴状なりとする所論は採用出來ない。論旨は理由がない。
(註) 本件は、量刑不当にて破棄自判。