大判例

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名古屋高等裁判所 昭和24年(控)1715号 判決 1950年3月01日

被告人

水越昭隆

外三名

主文

原判決中被告人犬塚始に関する部分を破棄し同被告人に対する事件を名古屋地方裁判所岡崎支部に差し戻す。

被告人水越昭隆、同板倉儀三郞及び同杉本静夫の各控訴を棄却する。

理由

職権を以て調査するに(中略)原審において同被告人に弁護人が私選又は国選された形跡が存しない、而して同被告人に対する訴因は右の賍物收受の外窃盜及び賍物牙保の事実があり右は何れもその法定刑として十年以下の懲役が規定せられ従つて刑事訴訟法第二百八十九条に所謂強制弁護事件として弁護人なくして開廷できぬ事件であるに拘らず原審は弁護人なくして同被告人の公判を開廷した上その窃盜及び賍物牙保の事件を審理判決したものであつてその処置は同法第三百七十九条に所謂訴訟手続の法令に反するものでありその公判手続は全体として無効というべく該無効の手続に基礎を置く原判決中被告人に関する部分がこれに影響せらるることは明かである。

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