大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

名古屋高等裁判所 昭和24年(控)484号 判決 1949年9月06日

被告人

尹達洙

主文

本件控訴は之を棄却する。

理由

前略

依つて按ずるに刑事訴訟法第四百三十五條第六号に所謂「原判決に於いて認めた罪より軽い罪」とは原判決が認めた罪に比して法定刑の軽い他の罪を謂ふのであつて同一犯罪について原判決の科した刑よりも軽い刑を以て処断すべき情状を謂ふものでは無い。また同号の「明な証拠を新に発見した」ときとは一見明確な証拠で原判決言渡前に其存在を知らずまた存在を知るも提出不可能であつた証拠を判決言渡後其存在を知りまたは提出可能となつた場合の謂であるから此点に関する論旨は理由がないばかりでは無く記録に基き審按するに被告人は原審公廷に於て本件犯行を自白して居るのであつて所論の事情並びに趣意書添付の証明書を綜合考慮するも右自白は錯誤に基くものとは認められないから論旨第一点は理由が無い。

以下省略

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例