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名古屋高等裁判所 昭和24年(控)683号 判決 1949年10月12日

被告人

牧野近

主文

本件控訴を棄却する。

理由

前略

本件起訴状に公訴事実として記載されたところは「被告人は豊橋市三輪町東廓三番地に於て小麦粉等の製粉業を営むものであるが法定の除外事由がないのに拘らず営利の目的で昭和二十四年三月十日頃右製粉工場等に於て小麦粉約七百五十四瓩百瓦をその法定の統制額を超えて販賣する目的にて所持して居たものである」というのであつて、所論販賣値段のことまでは記載してないが、右起訴状記載の程度においても物價統制令第十三條の二違反の罪となるべき事実に関する訴因の明示に敢えて欠くるところがないものというべく從て右公訴事実の記載は刑事訴訟法第二百五十六條に從てされたものとなすに妨げなく、本件公訴提起の手続がその規定に違反してなされたものとなす所論は当らない。されば原審が右公訴を受理して審判をしたのは正当であつて、原判決には所論の如き違法の点がなく、論旨は理由がない。

以下省略

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