名古屋高等裁判所 昭和24年(控)964号 判決 1950年2月08日
被告人
寺沢千次
主文
原判決を破棄する。
以下省略。
理由
論旨第一點について
原審第二回公判調書における論旨指摘の箇所を檢するに所論のように文字挿入の存すること及びこれに對する法定の形式の欠如即ち挿入する旨の記載と調書作成者の捺印の存しないことは正に所論の通りである然しながらその挿入された文字の書体竝に記載の態樣から観て明かにその調書作成者の記載した文字であることが認められるので右の違法を以て直にその挿入を無効とはなし得ないのであり且右の挿入された文字によつて同調書列記の関係書類を証拠とするについて被告人の同意のあつたことが認め得られるからこの點の論旨はこれを排斥する。
(註)本件は、量刑不当にて破棄自判