大判例

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名古屋高等裁判所 昭和25年(う)1935号 判決

仍て職権を以て調査するに本件起訴状によれば被告人は砂糖配給登録小売業者であるが昭和二十五年二月中法定の除外事由なく配給割当公文書の記載に従わず且つこれと引換ゆることなくその公定の小売価格一斤について三十四円五十銭の台湾中双砂糖百四十斤を一斤について百四十円乃至百五十円にて二回に亘り種倉達に代物弁済又は売却して以て譲渡したというにあるところ原判決によれば被告人は配給砂糖登録小売業者であるが昭和二十五年二月中法定の除外事由なく配給割当公文書の記載に従わず且つこれと引換ゆることなくその公定の小売価格三十四円五十銭の砂糖約百四十斤を種倉達に対し一斤約百四十円にて売渡し若しくは座布団等と交換して譲渡したものであるという事実を認定している。そこで本件の百四十斤の砂糖中のある部分(起訴状並びに原判決はその数量を明示していない)が起訴状記載のように公定価格を超ゆる価格で代物弁済に供せられたとすればそれは物価統制令第三条に違反して同令第三十三条の罰条に該当し若し又原判決のように座布団等と交換されたとすればそれは同令第十三条に違反して同令第三十五条の罰条に該当することとなりその両者はその構成要件及び罰条を異にし同一公訴事実の範囲内にある場合でもその訴因を異にするものとなさざるを得ない。然も一件記録中その点について訴因変更の手続のなされた形跡は存しないのであつて少くとも原判決は既にこの点において論旨に対する判断をなす迄もなく判決に影響を及ぼすべき訴訟手続に関する法令違反があり刑事訴訟法第三百七十九条第三百九十七条によつて破棄を免れない。

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