大判例

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名古屋高等裁判所 昭和25年(う)1963号 判決

(イ) 所論銃砲等所持禁止令の規定する銃砲等不法所持罪を構成する所持が一個であるか数個であるかは、社会通念に照して、夫れが人と物との間に存する実力支配関係を客観的に表明するに足る個別性を有するか否かにより決定さるべきであると解すべく、今之を原判決の認定した所論の原判示第二の(一)、(二)に付いて観ると、同各原判示事実は此の点に関する原判決挙示の証拠によつて優に証明するに足り、本件訴訟記録並原裁判所に於て取り調べた証拠に徴するも、原判決の右各認定事実に誤認の廉あることを発見し得ないのである。従て同各認定事実によれば、被告人は(一)昭和二十一年六月十五日頃から昭和二十五年三月二日迄の間原判示の拳銃を被告人の肩書居宅其の他に於て不法に所持し、又(二)昭和二十一年六月十五日頃から昭和二十五年二月上旬頃迄の間原判示の短刀一振を右居宅に於て不法に所持して居たものに係り、右(一)、(二)に付被告人が其の実力支配関係を開始した時期は孰れも同一であるが、其の実力支配関係を継続した時間、場所は同一でないのであるから、其の実力支配関係は社会通念に照し別個のものと認むるを相当とする。然らば右(一)、(二)の各所持の罪は併合罪を構成することとなるが故に、原判決が右各事実を認定の上、之を原判決説示の如き法令を適用し併合罪に問擬したのは正当であつて、原判決には所論のような違法の点が毫も存じないから、論旨は理由がない。

(中略)

右控訴の趣意第四に付いて。

(ロ) 自首減軽をすると否とは裁判所の裁量に任されて居るところであるから、仮に被告人が所論のように自首したからとて、原判決が此の点に付何等の判断を与えなかつたのを捉え云為する所論は当らない。

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