大判例

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名古屋高等裁判所 昭和25年(う)2086号 判決

仍て職権を以て調査するに原判決によれば原審は判示第二(二)として被告人は昭和二十三年二月中頃中島郡萩原町通称兄貴方において榊次郎等から同人が池田義光等と共に同郡起町大字伝馬町吉田庄一方において窃取して来た洋服生地三十七、八反を賍物であることを知り乍ら長峯清吉と共に合計金十三万円位で買受け以て賍物の故買をなした事実を判示しているのであつて右の判示に対応する昭和二十四年十二月二十九日附起訴状の訴因によれば被告人は昭和二十三年二月中旬頃愛知県中島郡萩原町通称兄貴方に於て榊次郎、池田義光、林孝男、川瀬某、通称兄貴等が他より窃取して来た純毛背広四反外九点(後に公判において純毛背広約四反外九点位と訂正さる)を盗品たるの情を知りながら之を六万五千円で買受けて以て賍物の故買をしたものとなつているのであつて原審判示と訴因とにおける当該目的物件及びその買受価格の表示を比較すると原審判示の物件は訴因表示の物件と異なるものとなさざるを得ないのであつて単にその一方の表示が不正確であるとか又は誤記があるに過ぎないとして看過し得ない原審がその判決のように認定する外なしとするならば宜しく訴因変更の手続を経由すべきであるに拘らず一件記録上かかる手続を経由した形跡が認められないから原審の処置は刑事訴訟法第三百七十九条に所謂訴訟手続に関する法令に違反するものであり且つ右の違反が判決に影響なしとはなし得ないので論旨に対する判断をなすまでもなく原判決中被告人に関する部分はこれを破棄せねばならない。

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