大判例

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名古屋高等裁判所 昭和25年(う)2132号・昭25年(う)2133号 判決

(2)検察官が本件において、証拠として取調請求した委任状十四通、領収書十四通は、証拠物であつて、その書面の内容も証拠となるものであつて、これが証拠調を為すについては、展示と同時に朗読することが要求せられていることは所論の通りであつて、原審が右証拠物の取調について展示しただけであることは、原審第一回公判調書の記載によつて、明らかである。然るに被告人及び弁護人は、右証拠調の方法について、何等の異議をも申し立てて居らないから、これについて不服を申し立てることはできないばかりでなく、書面の内容も証拠となる証拠物は、朗読するよりも、展示して、その内容を見る方が、よくその証拠価値を検討し得る(陪審制度をとらない、わが刑事訴訟法においては、殊に適切である)ので、展示のみして朗読を省略したからと云つて、その証拠調が完全に履行せられなかつたものと解することはできない。刑事訴訟法第三百七条の趣旨は、通常の場合は、展示と朗読を必要とするが、展示することによつて、その内容も一目して判明する場合にも更に朗読を要求したものと窮屈に解することはできない。本件のように一片の委任状や領収書のような書面は、展示する方が、よく理解しやすいので、原審が展示の方法によつて証拠調をしたのは、適法である。

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