大判例

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名古屋高等裁判所 昭和26年(う)702号 判決

弁護人の控訴趣意第一点 原判決は器物毀棄の点に付不法に公訴を受理したものであるとの点に付案ずるに被害者である原審証人大平猛三の証言によれば告訴状が提出されていることを認め得るばかりでなく原審第一回公判期日に検察官から告訴状を証拠として提出することに付被告人及弁護人に同意を求めらるるや被告人等は之を証拠として提出することに同意しなかつたことを認め得るから、本件に於て大平猛三から被告人を捜査官に告訴したことは疑いない、而して親告罪に於ける告訴は起訴条件であつて罪となるべき事実ではないから告訴の事実を認定する資料である告訴状又は告訴調書については適式な証拠調を経ることを要しないのみならず右告訴状又は告訴調書は記録に添付されていなくても他の証拠により適法な告訴状が提出されたこと又は告訴調書が作成された事が認められれば告訴の事実を認定し得るものと解するから所論はその理由がない。しかし本件訴訟記録を精査するも本件告訴が為された日時が不明で果して刑事訴訟法第二百三十五条所定の期間内に告訴があつたかどうかを確定し得ないから、従て本件公訴が適法なりや否やも判定し得ないのである。然れば原審は須らく此点につき職権を以て調査しなければならないのに之が調査をした形跡が認められないのは審理不尽であり、延いて訴訟手続に関する法令に違反したもので而も此点は判決に影響を及ぼすこと明かであるから原判決は此点に於て破棄を免れない。

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