名古屋高等裁判所 昭和27年(う)1122号・昭27年(う)1118号 判決
本件訴訟記録並に原裁判所で取調べた各証拠を調査すると原裁判所は原判決判示第六の(一)の被告人李ホイが外一名と共謀の上梅影初太郎所有の自転車を窃取したとの事実を同判決挙示の証拠中にみえる同被告人の原審公判廷に於ける供述並に梅影初太郎の盗難被害届により認定したものであることは明瞭であるところ右盗難被害届(記録第八十丁)によると、同被害自転車は判示の如く梅影初太郎個人のものでなく同人が代表取締役である中野建設株式会社の所有であること明瞭であるが、いずれにしても被告人は他人の所有自転車を窃盗したものに違いないから右所有者の誤認は原判決に何等影響はなく、刑事訴訟法第三百七十八条第四号にいふところの理由のくいちがいのある場合にもあたら(高等裁判所判例集第三巻第四号五九二頁参照)ない。