名古屋高等裁判所 昭和27年(う)1263号・昭27年(う)1262号 判決
原判決は判示第一において被告人が法定の除外事由がないのに拘らず昭和二十六年九月初頃一宮市和田町十三番地の自宅において二c.c.アンプル入覚せい剤千百余本を製造して同月十五日頃までこれを所持したる事実を認定しこれに覚せい剤取締法第十五条第一項、四十一条第一項第三号第十四条第一項第四十一条第一項第二号罰金等臨時措置法第四条を各適用していることが記録上明らかに認められる。而して覚せい剤を製造して引続きこれを所持する場合においては、その所持はその製造の必然の結果行われるものであつて当然製造の罪に吸収せられ別途に所持の罪を構成しないものと解するのが正当であり従つて原判決がこれと所見を異にして右のように製造の犯罪に引続いて行われた所持の点を犯罪と認め、これに右覚せい剤取締法第十四条第一項第四十一条第一項第二号等の法令の適用を示したのはその法令の適用に誤がありその誤が判決に影響を及ぼすことが明らかであるので原判決は刑事訴訟法第三百八十条第三百九十七条によつて破棄を免れない。