大判例

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名古屋高等裁判所 昭和30年(う)1126号 判決

物品税を不正に免れる目的を以つて、物品税法第十九条第一号の申告を怠り又は虚偽の申告をなし、その結果物品税を免れたときは同法第十八条第一項第二号に所謂「不正ノ行為ヲ以テ物品税ヲ逋脱シタ」場合に該当するものと言うべきであるから、右行為に対しては同条を適用して処断すべきものである。同法第十九条第一号は、物品税を不正に免れる目的ではなく、他の目的を以つて虚偽の申告を行つたような場合に適用される一種の秩序罰的な規定と解すべきものであるから、物品税を不正に免れる目的を以つて第十九条第一号の申告を怠り又は虚偽の申告を行つた場合には第十九条を適用すべきものではない。

原判決はその第一、第三に於て課税物品を製造移出したに拘らず課税標準の申告をなさず物品税の逋脱をなした事実をその第二に於て製造移出した物品につき虚偽の課税標準の申告をなし物品税の逋脱をなした事実を各認定し、右課税標準の不申告又は虚偽申告は物品税を免れる目的を以つてなされたことは判文上明かに看取されるから、原判決挙示の行為は第十八条第一項第二号に所謂不正の行為を以つて物品税を逋脱した場合に該当し、原審が之に対し同条を適用処断したのは正当であつて、何等法令違反の点はない。従つて、論旨は理由がない。

同(3)について

原判決がその冒頭に於て「被告人は物品税法第一条第一項第二種丁類三十六号該当の遊戯具であるパチンコ機の製造販売業を営んでいるものである」と判示していることは所論の通りであり、而して、昭和二十八年五月三十日法律第四一号物品税法の改正法律により、遊戯具は物品税の課税物件として第一条第一項第二種丁類三十六号に掲示せられたが、昭和二十九年三月三十一日法律第四六号(同年四月一日施行)の改正法律により之を二号繰下げる旨規定せられたから遊戯具は当然第三十八号に改められたものである。従つて、本件犯行当時は遊戯具は物品税法第一条第一項第二種丁類第三十八号に該当するものであるから、原判決が之を第三十六号に該当すると判示したのは明かに誤りと言わねばならない。然しながら物品税法第一条に記載してある号数は物品の種類区分の便宜のために各物品名の頭部に掲示せられているに過ぎないものであつて、原判決に於て本件物品税逋脱の対象物品は「遊戯具」であることを明かに判示している以上、単にその号数を誤つても判決に何等の影響はないと言うべきである。従つて、本論旨も理由がない。

(裁判長裁判官 石坂修一 裁判官 高橋嘉平 裁判官 伊藤寅男)

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