大判例

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名古屋高等裁判所 昭和31年(う)597号・昭31年(う)598号 判決

職権を以て調査すると、原判文によれば、原判決は法令の適用において、原判示第一及び同第二の罪を刑法第四十五条前段の併合罪として処断したことが明らかである。

猥褻の目的を以て人を誘拐し犯人の実力支配内に置きたる後、その支配力の存続中、更に営利の目的を以て同一人を他に誘拐したときは、包括一罪として処断すべきものと解するを相当とする。

本件についてこれをみるに、原判決がその挙示の証拠により適法に認定したところによれば、被告人等は共謀の上猥褻の目的を以て加納敏枝を誘拐し同人等の実力支配内に置きたる後、その支配力の存続中、更に営利の目的を以て同女を他に誘拐したものであるから原判示第一及び同第二の罪は一罪として処断すべきものであること前段説示に照らし明らかである。

されば、原判決が前記のように原判示第一及び同第二の罪を刑法第四十五条前段の併合罪として処断したのは法令の適用を誤つたものというべく、その誤が判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、原判決はこの点において破棄を免れない。

(裁判長裁判官 影山正雄 裁判官 石田恵一 裁判官 水島亀松)

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