名古屋高等裁判所 昭和31年(う)641号 判決
職権をもつて調査するに、原判決の法令の適用をみると、原判決は刑法第五十六条第一項第五十七条を適用し、その認定にかかる賍物故買の三罪の懲役刑につきそれぞれ再犯加重をなし、更に右三罪を同法第四十五条前段の併合罪として同法第四十七条第十条により併合罪の加重をなしながら、同法第十四条を適用していないことが明らかである。従つて原判決の被告人に対する懲役刑の処断刑は三十年以下となる筋合であるから、右は同法第十四条に照らし違法であつて、すなわち、法令の適用を誤つたものであり、その誤が判決に影響を及ぼすことが明らかであるといわなければならない。されば、原判決は破棄を免れない。
(裁判長判事 影山正雄 判事 水島亀松 判事 大友要助)