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名古屋高等裁判所 昭和35年(ラ)177号 決定 1960年12月27日

抗告人 伊藤美恵子

訴訟代理人 桜井紀

相手方 倉敷紡績株式会社

主文

原決定を取消し本件を名古屋地方裁判所に差戻す。

理由

抗告人の抗告の趣旨及び理由は別紙添付のとおりである。

民事訴訟法第四九条本文は未成年者は法定代理人に依つてのみ訴訟行為を為すことが出来る旨規定しているが、労働基準法第五六条第一項は「満十五才に満たない児童は、労働者として使用してはならない」と規定しているから満十五才未満の児童は別として、同法第五十八条と対比すると、労働契約の締結は未成年者保護と親権者の権利の濫用の防止の立場から満十五才以上の未成年者が自らなすべきで、親権者又は後見人は代つてなすことが出来ないところであるから(尤も使用者は満十二才以上満十五才未満の児童の使用については、同法第五七条第二項、第五六条第二項により修学に差し支えないことを証明する証明書及び親権者又は後見人の同意書を事業場に備え付けなければならないから、親権者又は後見人において未成年者に代つて労働契約を締結出来ないが、右使用について親権者又は後見人の同意が必要である)、満十五才以上の未成年者は労働契約に関する訴訟について訴訟行為を自ら有効になすことが出来ると解する(民事訴訟法第四九条但書)。本件では抗告人は昭和一六年一〇月一八日生れで満十五才以上であることは記録上(本件記録六〇丁以下の戸籍謄本)認めることが出来るから、抗告人が自ら弁護士を訴訟代理人に選任し本件申請を為したのは不法でない。

故に原審が抗告人は労働契約の合意解除の無効を前提として雇傭関係の存続の確認と就労の権利の宣言を求める本申請に訴訟能力を欠くとの論旨に基き抗告人の本件申請を却下したのは失当である。この点に関する抗告論旨は理由がある。

よつて原決定を取消し、事件を第一審裁判所に差戻すべきものとし民事訴訟法第四一四条、第三八九条に従い主文のとおり決定する。

(裁判長判事 県宏 判事 越川純吉 判事 奥村義雄)

抗告の趣旨および理由

原決定を取消す

抗告人が被抗告人を相手どり追つて提起する労働契約存在確認の訴の本案判決確定に至る迄仮りに被抗告人会社安城工場の従業員であることを確認する。

被抗告人はその安城工場に申請人を就労させなければならない。

訴訟費用は第一、二審共に被抗告人の負担とする

との裁判を求める。

第一点抗告の理由は、原審に於て抗告人が主張した事実の通りである。

第二点原決定では、抗告人が未成年者であり、その法定代理人の同意がなく仮処分申請が為され又その追認も得られないことが認められるから、本件申請を為す訴訟能力がないので申請を却下するとの判示があつたが、

1、未成年者が法定代理人の許可を得て労働契約を締結するのは、未成年者が雇主の命令に基き特定の労働力を提供することを約束し、未成年者は労働力の対価-賃金や退職金やその他労働基準法に定められた労働者の権利-を得ることを約束することである。この労働契約の内容には未成年者の法定代理人は容喙することができず、ただ労働基準法第五十八条第二項によつてのみ介入することができるのである。かかる労働契約を締結することを法定代理人に許された未成年者は、労働契約に関しては独立して行動することができると解さなければ、労働契約締結の法定代理人の許可が無意味となるのである。法定代理人の許から離れて生活している未成年者は、雇主から受けとる賃金にて、或は間借りをしなければならず、或は新聞紙を購読するであろうし或は電機洗濯機を買うこともあろう。未成年者が法定代理人の同意なくて為す斯様な法律行為は、民法第五条によつて法定代理人が、賃金を未成年者が随意処分することを許可したものであると解するか又は未成年者が就職することを法定代理人が許可した以上、その賃金を日常生活に使用することは当然許されているものと解するかは解釈の相違であるが、自分で働いたものは自分で使うというのが世間一般の考え方ではなかろうか。船員法第八四条では、未成年者が船員となるには法定代理人の許可を必要とし、この許可を受けたものは、雇入契約に関しては成年者と同一の能力を有する旨を規定している。この雇入契約というのは労働契約と同義語であると考えられ、船員法は、船舶内の労働の特殊性、航海の安全確保等の点から労働基準法と異る規定が為されているが、労働者が労働力を提供し、その対価である賃金等を受領することに於ては、他の労働者と異るところはない。未成年者が法定代理人の許可を受けて船員となつた場合雇入契約に関しては成年者と同一の能力を有するものとされるに反して、船員以外の未成年労働者が法定代理人の許可を受けて就職した場合には成年者と同一の能力を有しないと差別する合理的根拠はない。両者の具体的労働は異るが労働力を提供することは同じである。船員法の適用を受ける具体的労働が他の具体的労働と異るから労働契約或は雇入契約に関して一は成年者と同一能力あるとし、他は然らずとする法的取扱とする必要はないとしか考えられない。雇入契約にしろ、労働契約にしろ、債権契約であつて、雇主は労働者又は船員に特定の行為を要求する権利を有し船員又は労働者は賃金等を雇主に対し請求する権利を有するものであつて、この請求権に基いて最後の手段として裁判という結果が生ずるのである。船員や労働者が雇主に暴力を振い労働契約に基く請求権を貫徹させるというならば、提出する労働の差異によつて成年者と同一の能力を有するものとしたり、有しないものとしたりする理由が或は生れるかも知れないが、債権契約の締結、履行の為の能力ということが法律上の問題となる以上その差異をつける合理性も必要性もないと云わなければならない。

労働基準法第五九条は、わが国の従来の親が子を喰い物にする弊風があつたのに鑑み注意的に条文化されたものであり本来労働契約の締結を許可された未成年者には賃金の請求権があることは法理上当然である。労働基準法第五八条により法定代理人が未成年者に代つて労働契約を締結することができない以上、労働契約の当事者は法定代理人の許可を受けた未成年者と雇主である。法定代理人の為にする労働契約(之も許されないと考えるが)ならば格別労働契約(雇傭契約)の労働力を提供した者以外の者が賃金を受領する権限のないことは自明の理ではなかろうか、法定代理人が労働契約の当事者でなくして如何なる理由により未成年者の賃金を受けとることを得るのか、法定代理人は労働基準法第五八条第二項の権限以外には全然労働契約には関与できない。民法第六百二十三条により未成年者が賃金請求権を有するのである。仮りに法定代理人が未成年者の賃金を受領しても、雇主のかかる賃金支払は無効である。未成年者は雇主に対して賃金請求権を有することは当然である。かくの如く解すれば、労働基準法第五九条が注意的規定であることは明かである。

原決定には「ところで未成年者等の行為無能力者の訴訟能力については民事訴訟法第四九条に規定されているところであるが原則としては無能力者とされ、例外的に未成者が独立して法律行為をなすことができる場合に限り訴訟能力が認められているのである。そこで労働関係につき未成年者に訴訟能力を認められる場合があるかどうかを考えるのに労働基準法第五九条は親権者又は後見人が未成年者の賃金を代つて受け取ることを禁止すると共に未成年者が独立して賃金を請求すことができる旨を規定している」と判示しているが、前述の如く労働契約は未成年者が法定代理人の許可があれば独立して締結するものであり、つまり未成年者は例外的に独立して労働契約を締結するものである。賃金の請求権発生は労働契約の締結又は労働契約に基く労務の提供によるものであり、賃金の請求は法律行為と考えるべきでなく、準法律行為と解さなければなるまい。労働契約の締結自体が法律行為である以上原決定の論理から云つて労働契約を独立して締結を許された未成年者は訴訟能力が認められているものと解すべきではないか。

2、未成年者が職業につく数の多いことは、資本主義の発生以来特に顕著な事実である。未成年者の保護は刑事面では少年法があり、労働関係では労働基準法の規定がある。未成年者が職業につくのはその保護者の生活が成年に達する迄就業することなく学問、技術等に専心することができないことが、その大多数の理由である。親の負担を軽減するが、親に多少の経済的寄与をするか、親に将来の負担をかけない為に未成年の時から働こうとするかが、就職の理由である。法定代理人も就職を許可する以上未成年者がその職業に危惧の念を抱かないからこそであり、未成年者の人格を尊重しているからである。未成年者であつても個人の尊厳は憲法上保障されているところであり、思想信条の自由についても同様である。未成年者は教育基本法の前文、同法第七、八、九条により教育を受けて来たものである。労働を提供することは社会公共の為に役立つていることである。資本家はその事業が社会公共の為に経営されていると豪語することを常としているが、資本家の斯様な豪語に対して未成年労働者も同様に自己の労働を誇り得るものではないだろうか。資本と労働とは常に対置される経済学の概念である。奴隷は労働する義務はあるが、自己の運命には一切口をきく自由を持たなかつた。奴隷は口のきける道具というようなことも云われていた。未成年者の労働者も法定代理人の許可がなければ労働契約に関して雇主と裁判で争うことができないとすれば、働くことは一人前だが、是非善悪の裁きは受けることができないということになれば、奴隷と同じ境遇ではないかと天を仰いで長大息をするであろう。労働契約を結ぶことによつて自己の将来の運命を開拓しようとしたが、雇主の勝手気尽な処置に泣いて黙つていなければならないのは理屈に合わないと憤りを覚えるであろう。

3、労働基準法第五十八条、民法第六条、同第八百二十三条、同第八百五十七条及び船員法第八十四条の規定から云つて未成年者に対して法定代理人が就職の許可を与えた場合は、労働契約に関しては成年者と同一の能力を有するものと解釈すべき理由は前述の1、2で述べた通りであるが、法律の解釈は合目的的に公平に、合理的に現在の社会状態に適合する様解釈すべきが尤も法律の精神に副うものと考える。

法律の解釈にしても社会現象や自然現象の認識にしても人によつて種々の解釈が行われる。地球の周りを太陽が廻るのだという考え方に反対して処罰されたという話もあり、兎と亀の競争で亀が先発した以上兎は追いつけないと説を出した人もある。百家争鳴という語もあり、各人各様な意見を出すことが人類の進歩に貢献することであろうが、弱者の権利や利益が尊重されていくところに歴史の流れがあると云える。奴隷が農奴となり労働者に対する搾取の労働法による制限、青少年、婦人労働者の就労の制限、基本的人権を保障する近代憲法の制定等を見ると、個人の利益や権利が漸次保護されて行く歴史と考えることができる。

法定代理人の許可を得て職業に就いた未成年労働者が労働契約に関しては成年者と同一能力がないとするならば、次の如き疑問が生まれる。

(イ) 資本主義は労資対立を内包していることは言を俟たないところであり、階級的利害関係は益々明かな形態を現はしてくるのであり、抽象的な法規の解釈如何は労働者又は資本家に影響することが大である。未成年者が共産主義者だという理由で解雇を受けると賃金も貰えず職場への立入は禁止される。未成年者は憲法や労働基準法の思想信条の自由の規定により解雇無効の訴を提起しようとする。法定代理人は「御主人様を訴えるとはもつての外だ」と「アカがアカだという理由で解雇されても仕方がない。お前の思想が悪いのだ」と訴訟に反対することもあろう。法定代理人が訴訟提起を許すとせば雇主には色々な支障が生れる。訴訟で解雇が無効だという結果が生れたならば、どえらい損害を受ける。なんとか訴訟にならない様に雇主は法定代理人に工作するのではないかという疑が生れても仕方がない。有名なプロ野球の選手がプロ野球団に入るには多額の金が親に提示されているということが事の真偽を別として新聞紙に報ぜられている。現代の世相の裏を示す一例ではなかろうか。訴訟を提起し得ない未成年労働者は、泣き寝入りをする外はない。未成年者には裁判を受ける権利の保障も成年になる迄は停止されるということになる。百年河清を待つ程の長期ではないから大人になつてから「思う様にやるさ」ということも余りに不合理ではないだろうか。保護者が大学迄進学させる力がないから働く、他人の力を借りずに自立して行く、一時間の労賃は幾何と決められていれば、賃金のこと即ち労働条件についても紛争が起きる解雇の問題も起きるが、之等一切は、法定代理人の許可がなければ未成年者は争うことができない。思想信条の自由も未成年者には法定代理人の許可という条件がつけられている。全国数十万の未成年労働者の法律上の位置というものが尊重されないこととなるのである。

(ロ) 労働組合では、スト権の確立という問題について組合員の賛否を問うて決議をする。未成年者の組合員は無能力者であるから、未成年者が法定代理人の許可を受けずにスト権の賛否に意思表示をしても、それは無効となり、更に無効の意思表示が加つたスト権の確立ということも瑕疵ある決議となるのであろう。就業規則の制定改廃についての組合員に対する意見聴取の場合も未成年者は無能力者の行為である。

(ハ) 退職金の支払を法定代理人が雇主と話合で未成年者に内密に受取つた場合、未成年者が雇主に支払請求の訴を提起することを許すまい。この場合未成年者は如何にすべきか、退職金は賃金とは形式上云えないかも知れないから。

労働基準法第六十七条、同六十八条の請求を未成年者が雇主に請求した場合、雇主は法定代理人の許可のない請求だから応ぜられぬと答えたとすれば法定代理人の許可の書面が提出される迄雇主は債務不履行の責を免れるであろうか。

労働基準法第七十七条の障害補償金を法定代理人が雇主と話合の上未成年者には内密で受取つた場合、未成年者が雇主に対してその請求をする際法定代理人は許可を恐らく与えないであろう。原決定も法定代理権の濫用を説示している。

(ニ) 法定代理人の許可を得ない未成年者の訴訟提起が却下されるとせば、雇主は不許可を予定して未成年労働者の運命を奴隷に対すると同様に取扱うことができる。労働者の要求は青少年に於て強く表現される。労働者の要求の第一線に立つ青少年に対する雇主の対策が原決定によつて非常に容易になると考えられる。本件紛争の実態が嘗ての所謂レツド、パージと云うやり方を彷彿させるに於ておや。

以上1、2、3の理由により原決定の理由は不法不当である。

第三点一、原決定は先ず労働基準法第五八条第一項から未成年者が独立に労働契約を解除することができることを認めたものではないとしているが、同項の解釈を全く誤つたものである。

二、そして原決定は右結論の理由として同条第二項が未成年者の契約した労働契約が未成年者に不利であるときの解除については未成年者の自由な権限に任かせていないという独自の解釈を挙げている。

三、然し乍ら未成年者は未成年者の契約が未成年者に不利であるときには未成年者自身自由に解除できる。それは同条第二項によつてではなく、同条第一項によつて未成年者が解除できるのである。この点は後に詳論する。

四、同条第二項の解除権者に未成年者が含まれていないのは何故かその理由の一は未成年者は同条第一項によつて解除権を有するから同条第二項は重複をさけた為である。

その理由の二は同項で問題にされているのは同条第一項によつて未成年者がとにもかくにも自ら欲して締結した労働契約であるから通常未成年者自身が解除することは少いからであり、通常の契約の解除権者即ち締結権者と言う方式を破つて締結権者でない第三者に特別に解除権を附与することを目的とした規定だからである。

従つて同項は未成年者の為した全ての労働契約(未成年者に有利なものも含めて)に関して解除権者を定めた規定でもないし、未成年者に不利な労働契約に関しても全ての解除権者をもうらした規定でもない。それは単に未成年者が締結した不利な労働契約に関して未成年者以外の解除権者を附加した規定にすぎない。

五、原決定は未成年労働者の独立労働契約締結権を否定する。全くの誤りである。

成程同条第一項は直接には労働契約締結に関する規定であるがその立法趣旨は「わが国における年少者の労働に伴う弊害の典型的なものとして、親が、子に代り子の知らぬ間に使用者と契約を締結し、多くの場合、親は、その際使用者から前借をし、これを子が働いて得べき賃金と相殺することを認めたり、あるいは使用者が親の依頼を受けて子に賃金を支払うことなく、親に送金するような事例が多くみられた。しかも、年少者は容易に労働契約を解除できず、不当な労働条件のもとに、長期間労働せざるを得ない状況にあつた。しこうして、一般社会慣習の上からは、これを親孝行として美化し、法律の上からは、親権の作用として、これを合法化してきた。しかし親権の認められるのは子供の利益及び社会の利益のためであることはいうまでもないところであり、右の如き年少者の労働契約の締結のために親権を行使することは、明らかに親権の乱用であるが、これを防止すべき労働法規は存してはいなかつた」欠陥を補う為である。(労働省労働基準局編著労働基準法下六三〇頁参照)

従つて同条第一項は当然に未成年労働者の独立契約解除権を包含していると解すべきである。

このことは前記第二点記載のとおり船員法第八四条をまつまでもなく明らかである。仮りにそうでなく、未成年労働者の労働契約解除については民法の原則に従い、法定代理人の代理権行使を認めるとすれば法定代理人の恣意的な解除的な行使によつて折角未成年者が独自の自由な意思に基き獲得した勤労の具体的権利は瞬時にして否定され(本件はその好個の事例である)結局は従来の弊に従い何事も親まかせにしなければならず、同条第一項の趣旨は全く没却されることになるからである。かくして原決定の同条第一項に関する解釈は理論的にも又実際的にも極めて理不尽なものと言わなければならない。(尚抗告人と同じ結論をとる学説としては、窪田隼人、年少労働者、労働法講座第五巻一三三〇頁)従つて原決定が労働基準法第五九条を賃金請求についてのみ許容せられる例外的規定と解したり労働基準法に未成年者労働者の労働契約解除訴権等を認めた規定がないとしているのは全くの独断である。

六、次いで原決定は民法第六条に謂う「営業」とは商業又は広く営利を目的とする事業に限られるのであるが、「職業」の概念は広く継続的な業務をいい、営利を目的とすると否とを問わないものであつて、営業よりも広い観念である。従つて民法第八二三条、第八五七条により親権を行う者が未成年者に対し職業を営むことを許可したものということはできないとしているが、形容矛盾である。

蓋し、職業を営利を目的とすると否とを問わない営業より広い観念だと解する限り営業は職業の一種として職業の中に包含されることになり(同旨我妻栄外親族法相続法コンメンタール二七五頁、末川博外民法総則物権法ポケツト注釈全書一九頁等)職業の許可は当然に営業の許可を包含することになるからである。

従つて原判決のこの点の解釈も又誤つている。

七、抗告人が何故に自らが欲し、自らが選んだ具体的な労働に従事する権利、憲法第二七条の保障する勤労権を抗告人の意思と、労働基準法第五八条第一項の趣旨に反して奪われなければならないのか。抗告人にはその理由は全く不明であり、原決定もこの点については何ら答えていない。抗告人はこの点に対する正しい判断未成年労働の実態についての歴史的事実の正しい認識こそが本件に対する結論を正しからしめる唯一のものであると信じている。

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