大判例

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名古屋高等裁判所 昭和27(う)19 高裁判例

主 文

控訴を棄却する。

理 由

弁護人乾健多朗の論旨は同弁護人提出の控訴趣意書に記載する通りであるからこ

れを引用する。

原審公廷における被告人の供述並にA、Bの各証言によれば被告人が住職をして

いるC寺は昭和四年の大火に類焼して住職に相伝せられる寺有の刀剣一振も焼失

し、その後その代換として檀家Dが寄進し、檀家に行われる葬儀に魔除けの具とし

て使用されていた刀剣は終戦後銃砲等所持禁止令の施行と共に禁令に抵触するに至

つたので被告人は檀徒に諮つた上鍛冶職に委頼してこれを三身に分断して右目的に

所持使用したものであることは被告人自身の原審における立証にかかるところであ

る。

故に当審における弁護人の控訴趣意書記載の所論は原審に立証せられた前叙事実

と矛盾し到底これを採用し<要旨第一>難いのみならず、銃砲等所持禁止令の後継法

たる銃砲刀剣類等所持取締令第二条但書列挙の除外事由、特に第</要旨第一>一号の

「法令に基き職務のために所持するとき」の律意には所論の如き寺院が葬儀の魔除

の仏具として刀剣類<要旨第二>を所持する場合を含まないものと解すべきであり、

且つ右法条但書の規定は銃砲刀剣類等の所持行為につきそ</要旨第二>の違法性阻却

の原由を列挙限定した規定というべきであるから、所論所持に刑法第三十五条を適

用する余地がないものといわなければならない。論旨は理由がない。

そこで本件控訴は理由がないので刑事訴訟法第三百九十六条により主文の通り判

決する。

(裁判長判事 吉村国作 判事 小山市次 判事 沢田哲夫)

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