大判例

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名古屋高等裁判所金沢支部 平成12年(う)38号 判決

原判決は,(罪となるべき事実)の項で,「被告人両名が共謀の上,法定の除外事由がないのに,知事の許可を受けないで,平成10年7月1日から同年10月31日までの間,前後84回にわたり,産業廃棄物である燃え殻等108万7130キログラムを代金合計1008万円で収集し,もって許可を受けないで産業廃棄物の収集を業とした」旨,本件公訴事実と同旨の事実を認定した上,(量刑の理由)の項で,「本件犯行は,平成10年1月頃からダンプカー延べ9台を,運転手延べ8名に運転させて,A,B,C,Dから,燃え殻,廃プラスチックを長期間にわたり大規模に収集していた内のDからの収集分で,いわば氷山の一角に過ぎず,それでも燃え殻は108万7130キログラムと多量で,その収入代金も1008万円と多額に昇っており,被告人らの本件犯行を含む大規模な無許可収集により継続的に得た利益は少なからざる額に達している筈である。」と,さらに,「今や廃棄物の適正処理は国民的課題であり,ここに廃棄物の処理及び清掃に関する法律の目的があり」などとした上,「かかる時世下において,被告人らは,自己の利益を得るために,前記の通り,長期間にわたり大々的に無許可で産廃を収集し,多額の利益を得たもので,国民感情及び法の趣旨を蔑ろにするのも甚だしい行為といわなければならない。」などと説示している。

起訴されていない犯罪事実を実質上処罰する趣旨で量刑の資料とすることは許されないと解されるところ,原判決は,前記(量刑の理由)の項の説示からして,本件起訴に係る無許可収集をもって,被告人らが,それ以前から長期間にわたり,本件起訴に係る収集分の排出先以外の排出先からの収集を含めて大規模に行っていた無許可収集のごく一部であるとした上,そのような無許可収集によって継続的に得た利益は本件起訴に係る収集分によるそれを相当に上回っているとし,このように長期間にわたり大々的に産業廃棄物を収集し,多額の利益を得た被告人らの行為は法の趣旨に甚だしくもとるものであるなどとして,強い非難を加えていることが明らかであり,このような原判決の量刑態度は,起訴されていない犯罪事実を実質上処罰する趣旨で量刑の資料としたものといわざるを得ず,結局,原審訴訟手続には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることになる(なお,本件はいわゆる営業犯であることからして,原判決が本件起訴に係る無許可収集以外に指摘した無許可収集も,本件公訴事実と一罪の関係に立つとみられる可能性が高いが,であるからといって,起訴に係る無許可収集以外の無許可収集を実質上処罰する趣旨で量刑の資料とすることが許されるというものでもない。)。

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