名古屋高等裁判所金沢支部 昭和25年(う)356号・昭25年(う)357号 判決
昭和二十四年二月十四日に受理された本件起訴状記載の公訴事実第一の1は衆議院議員選挙法第百十二条第一項第一号の罪の訴因であり第二は同法第一項第四号の罪の訴因なるところ昭和二十五年三月二十八日の原審差戻後の第三回公判廷に於て訴因罰条の変更追加があり第一の1は同条第一項第五号前段の罪の訴因第二は同号後段の罪の訴因に変更されたことは所論の通りであるが公訴事実は変更の前後何れも被告人等の原判示候補者の為の選挙運動資金授受の同一事実関係を其の基本的事実関係とするものなることは起訴状並前記公判調書の記載に徴し明白であるから右訴因の変更は毫も公訴事実の同一性を害しないものと謂わねばならぬ。従つて本件の基本的事実関係についての公訴の提起は上記起訴状の受理された昭和二十四年二月十四日に有効に為されたものであつて右公訴の提起によつて本件犯罪についての時効は進行を停止したものと解釈すべきであつて原判決が本件につき免訴の言渡をしなかつたのは相当であり論旨は採用できない。
(註 本件は量刑不当により破棄自判)