大判例

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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和26年(う)164号 判決

記録に徴するに原判決援用の証拠に依れば被告人は論旨に謂う井上誠昌堂の外交員としてではなく所定の営業登録を受けないで自ら独立して医薬品販売業を営み原判示のようにサントニンを販売したものであることは其の証明十分であつて記録を精査するも原判決は此の点につき事実の誤認があるものとは認められないから此の点に関する論旨は理由がない。

然しながら被告人の原判示一乃至四七の行為は所定の登録を受けないで医薬品販売業を営んだ所謂営業行為であつて右一乃至四七の行為は包括して一個の違反行為を構成するものと解すべきであるから右四六、四七の行為と刑法第五十四条第一項前段の関係に在る原判示四八、四九の物価統制令違反の事実も右包括一罪と刑法第五十四条第一項前段の場合に該ることとなる。従つて被告人の原判示所為に対し併合罪の法条を適用する余地がないに拘らず本件につき刑法第四十五条第四十七条第四十八条第二項等を適用し併合罪の加重を為し量刑した原判決は此の点に於て破棄を免れぬ。仍て爾余の論旨に対する判断を省略し当裁判所は刑事訴訟法第四百条但書に依り更に判決することゝするのであるが被告人の原判示薬事法違反の点は同法第二十九条第五十六条第一項に物価統制令違反の点は同令第三条第四条第三十三条昭和二十三年十一月四日物価庁告示第一、一二一号に該当し右は一個の行為で数個の罪名に触れるから刑法第五十四条第一項前段第十条を適用し重い後者の刑に従い物価統制令第三十六条に則り尚罰金刑につき罰金等臨時措置法第二条を適用し被告人を懲役六月及罰金三万円に処し刑法第二十五条に依り二年間右懲役刑の執行を猶予し罰金不完納の場合の労役場留置につき同法第十八条、訴訟費用につき刑事訴訟法第百八十一条第一項を適用し主文の通り判決する。

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