名古屋高等裁判所金沢支部 昭和29年(う)292号 判決
刑事訴訟法第三百三十五条第二項に所謂「刑の加重減免の理由となる事実」とは、例えば併合罪、心神耗弱、中止犯、従犯等の如く、法律上刑の加重又は減免を為さねばならぬ場合として、特に規定されたもの(所謂必要的加重減免理由)を指称し、酌量減軽の主張の如き、裁判上の裁量に依る刑の減免事由(所謂任意的減免理由)は、これに含まれないと解すべきであるから、仮令原審に於て、弁護人の酌量減軽の主張に対し、特に判断を与えることがなかつたとしても、原判決は刑事訴訟法第三百三十五条第二項に違背したものでなく、其の理由に不備があるものでもない。論旨は理由がない。
(裁判長判事 水上尚信 判事 成智寿朗 判事 沢田哲夫)