大判例

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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和30年(う)164号 判決

弁護人は「被告人の判示第二の所為は、公職選挙法に所謂選挙運動に該当しない」と論じているけれども、原審認定に係る被告人の判示第二の所為は、これを要するに「判示選挙に際し富山県第一区より立候補した内藤隆に投票を得しめる目的をもつて、判示の頃判示の場所で滝脇まさに依頼し、日本自由党総裁緒方竹虎が富山県第一区選挙民に対し、前記選挙に内藤隆を推せんする趣旨の文言が記載してある推せん葉書約四十七枚のその表に、被告人が自らの意思で選定した老田投票区内の選挙人の氏名を、名宛人として墨書せしめて、翌二十二日頃此の葉書を郵送せしめ、その名宛人中原判示の者等にそれぞれこれを到達せしめたものである。」と言うにあり、右事実によれば被告人の所為は、特定候補者に投票を得しめる意図の下に、推せん葉書を郵送すべき名宛人を、自己の意思によつて選定した上、人をして宛名の記載、投函等の行為を為さしめて、該葉書を名宛人に到達せしめたものであつて、すなわち、特定候補者に投票を得しめるにつき、有利なる行為をしたものに外ならず、右は公職選挙法第百三十五条に所謂「選挙運動」に該当すること勿論であるから、原判決は法令の適用を誤つたものでなく、論旨は理由がない。

(裁判長判事 水上尚信 判事 成智寿朗 判事 沢田哲夫)

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