名古屋高等裁判所金沢支部 昭和32年(う)249号 判決
被告人は「彼告人は昭和三十二年三月二十七日頃試験に合格し、自動二輪車を運転する資格を獲得したものであるから、当時、免許証を携帯せずに車を操縦したことが別罪に触れるのは格別、少くとも被告人の原判示第一の所為は、資格を持たないで自動二輪車を運転したものでない。」旨主張するけれども、しかしながら、道路交通取締法第九条同法施行令第四十七条第五十条等の規定に依れば、およそ自動車(自動二輪車を含む)の運転免許は、公安委員会が試験に合格した者に対し、免許証を交付することによつて、はじめてその効力を発生すると解すべきであるところ、前認定に依つて明かであるが如く、被告人は、当時、単に試験に合格したと言うに止まり、未だ以て免許証の交付を受けていなかつたものであつて、従つて、被告人は所論のように、当時自動二輪車を運転する資格を既に取得していたものでないから、論旨は理由がない。
(裁判長裁判官 山田義盛 裁判官 沢田哲夫 裁判官 辻三雄)