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和歌山地方裁判所 平成2年(わ)348号 判決 1991年9月09日

本店の所在地 和歌山県新宮市下田三丁目一番二〇号

有限会社王子商会

(右代表者代表取締役 西滿)

(同 奥西勝成)

本籍 和歌山県新宮市丸山六二四〇番地の二

住居

同市丸山一番一号

会社役員

西滿

昭和六年一一月二六日生

本籍 三重県南牟婁郡御浜町神木一六五四番地

住居

同郡鵜殿村一三一一番地の三

会社役員

奥西勝成

昭和一七年二月一五日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官山本昇出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人有限会社王子商会を罰金三、〇〇〇万円に、被告人西滿及び同奥西勝成を各懲役一年六月に、それぞれ処する。

被告人西滿及び同奥西勝成に対し、この裁判確定の日から三年間それぞれその刑の執行を猶予する。

(罪となるべき事実)

被告人有限会社王子商会は、和歌山県新宮市下田三丁目一番二〇号に本店を置き、遊技場(パチンコ業)の経営等の業務を目的とする有限会社であり、被告人西滿及び同奥西勝成は被告人会社の代表取締役としてその業務全般を統轄するものであるが、被告人西及び同奥西は、被告人会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、共謀のうえ、

第一 昭和六一年六月一日から昭和六二年五月三一日までの事業年度における被告人会社の所得金額は七、八八八万八、三八五円で、これに対する法人税額は三、二一六万五、一〇〇円であるにもかかわらず、売上の一部を除外するなどの行為により、その所得金額七、八八八万八、三八五円を秘匿したうえ、昭和六二年七月三〇日、和歌山県新宮市伊佐田町二丁目一番地二〇所在の所轄新宮税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が〇円で、納付すべき法人税額はない旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、右事業年度の法人税三、二一六万五、一〇〇円を免れ

第二 昭和六二年六月一日から昭和六三年五月三一日までの事業年度における被告人会社の所得金額は一億四、六三六万二、七〇五円で、これに対する法人税額は六、〇五〇万四、〇〇〇円であるにもかかわらず、前同様の行為により、その所得金額一億四、六三六万二、七〇五円を秘匿したうえ、昭和六三年七月三〇日、前記新宮税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が〇円で、納付すべき法人税額はない旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、右事業年度の法人税六、〇五〇万四、〇〇〇円を免れ

第三 昭和六三年六月一日から平成元年五月三一日までの事業年度における被告人会社の所得金額は九、八四〇万九、二七一円であるにもかかわらず、前同様の行為により、その所得金額のうち六、六〇五万四、一四二円を秘匿したうえ、平成元年七月三一日、前記新宮税務署において、同税務署長に対し、所得金額が三、二三五万五、一二九円で、これに対する法人税額が一、二五六万三、七〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、右事業年度の正規の法人税四、〇三六万二、九〇〇円との差額二、七七九万九、二〇〇円を免れた

ものである。

(証拠の標目)

判示事実全部について

一 被告人会社代表取締役及び被告人西滿の当公判廷における供述

一 被告人会社代表取締役及び被告人奥西勝成の当公判廷における供述

一 被告人西滿(三通)及び同奥西勝成(二通)の検察官に対する各供述調書

一 被告人西滿(一一通)及び同奥西勝成(七通)の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一 登記官作成の商業登記簿謄本

一 西和代の検察官に対する供述調書

一 西和代(九通)、奥西千賀子(二通)、松尾忠幸(二通)、濵仲孝郎(二通)、南清(二通)、的場廣至(二通)、馬場浩三、鈴木基郎、向山俊也、下谷良次、西彊(二通)、谷畑正樹(二通)、竹内豊、西勲、田中千草、西多美子、山上一磨、米良智、西田秀次、西涼子の大蔵事務官に対する各供述調書

一 大蔵事務官作成の査察官調査書三三通

一 大蔵事務官作成の現金預金有価証券等現在高確認書(三通)及び現金預金有価証券等現在高検査てん末書(三通)

一 国税査察官作成の査察官調査報告書

判示第一の事実について

一 大蔵事務官作成の平成二年二月二七日付け脱税額計算書(検甲第二号証)

一 新宮税務署長作成の平成二年二月一三日付け証明書(検甲第五号証)

判示第二の事実について

一 大蔵事務官作成の平成二年二月二七日付け脱税額計算書(検甲第三号証)

一 新宮税務署長作成の平成二年二月一三日付け証明書(検甲第七号証)

判示第三の事実について

一 大蔵事務官作成の平成二年二月二七日付け脱税額計算書(検甲第四号証)

一 新宮税務署長作成の平成二年二月一三日付け証明書(検甲第九号証)

(法令の適用)

一 罰条 被告人会社につき

法人税法一五九条一項、一六四条一項、一五九条二項

被告人西及び同奥西につき

刑法六〇条、法人税法一五九条一項

一 刑種の選択 被告人西及び同奥西につき

いずれも懲役刑

一 併合罪の処理 被告人会社につき

刑法四五条前段、四八条二項(各罪所定の罰金の合算額の範囲内)

被告人西及び同奥西につき

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第二の罪の刑に法定の加重)

一 執行猶予 被告人西及び同奥西につき

刑法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 瀧川義道)

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