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大阪地方裁判所 平成10年(ワ)1195号 判決 1998年6月18日

原告

村山ヨネ

ほか四名

被告

八木祐也

ほか一名

主文

一  被告らは、原告村上ヨネに対し、各自金一二三万一八五三円及びこれに対する平成八年一一月二二日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告らは、原告北場千鶴子に対し、各自金三〇万七九六三円及びこれに対する平成八年一一月二二日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

三  被告らは、原告村上冨士男に対し、各自金三〇万七九六三円及びこれに対する平成八年一一月二二日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

四  被告らは、原告山本弘子に対し、各自金三〇万七九六三円及びこれに対する平成八年一一月二二日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

五  被告らは、原告北口登に対し、各自金三〇万七九六三円及びこれに対する平成八年一一月二二日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

六  原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

七  訴訟費用は、これを五分し、その四を原告らの負担とし、その余を被告らの負担とする。

八  この判決は、第一項ないし第五項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一請求

一  被告らは、原告村上ヨネに対し、各自金六四〇万円及びこれに対する平成八年一一月二二日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告らは、原告北場千鶴子に対し、各自金一六〇万円及びこれに対する平成八年一一月二二日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

三  被告らは、原告村上冨士男に対し、各自金一六〇万円及びこれに対する平成八年一一月二二日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

四  被告らは、原告山本弘子に対し、各自金一六〇万円及びこれに対する平成八年一一月二二日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

五  被告らは、原告北口登に対し、各自金一六〇万円及びこれに対する平成八年一一月二二日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

本件は、道路を横断中の村上伊之(以下「亡村上」という。)が被告八木祐也(以下「被告八木」という。)運転の自動二輪車に衝突されて転倒し、さらに後続の被告竹田伸久(以下「被告竹田」という。)運転の自動二輪車に轢過されて死亡した事故につき、亡村上の相続人である原告らが、被告らに対し、自賠法三条、民法七〇九条、七一九条に基づき、損害賠償を請求した事案である。

一  争いのない事実等(証拠により比較的容易に認められる事実を含む)

1  事故の発生

左記交通事故(以下「本件事故」という。)が発生した。

日時 平成八年一一月二二日午後五時二〇分頃

場所 大阪府吹田市山田東二丁目二〇番一号先路上(以下「本件事故現場」という。)

事故車両一 自動二輪車(大阪そ五六八八)(以下「被告八木車両」という。)

右運転者 被告八木

事故車両二 自動二輪車(一大阪は三八二一)(以下「被告竹田車両」という。)

右運転者 被告竹田

態様 被告八木は、被告八木車両を運転して時速約五〇ないし六〇キロメートルで走行中(制限速度毎時二〇キロメートル)、道路を横断していた亡村上に衝突し、同人を転倒させた。その直後、時速約四〇キロメートルで後続していた被告竹田車両が亡村上を轢過した。

2  責任原因

(一) 被告らには、制限速度を遵守せず、前方に対する安全確認を怠った過失がある。

(二) 被告八木は、被告八木車両の保有者であり、自己のために同車両を運行の用に供していた者である。被告竹田は、被告竹田車両の保有者であり、自己のために同車両を運行の用に供していた者である。

3  亡村上の死亡及び相続

(一) 亡村上(明治四三年九月二八日生、死亡当時八六歳)は、本件事故により、平成八年一一月二二日、死亡した(甲四1)。

(二) 亡村上の死亡当時、原告村上ヨネはその妻であり、その余の原告らはその子であった(甲四1ないし6)。

4  損害(その一部)

(一) 逸失利益 四三七万円

(二) 文書料等 五三〇〇円

5  損害の填補

被告らが加入していた自賠責保険からは、原告らに対し、合計一七七七万五三〇〇円が支払われている。

二  争点

1  共同不法行為の成否

2  過失相殺の有無・額

3  損害額(争いのない項目を除く)

(原告らの主張)

(一) 葬儀費用 一四〇万円

(二) 死亡慰藉料 二四〇〇万円

(三) 弁護士費用 八〇万円

(被告らの主張)

争う。

第三争点に対する判断(一部争いのない事実を含む)

一  共同不法行為

前記争いのない事実等によれば、被告八木の加害行為及び同竹田の加害行為は時間的・場所的に極めて接着しており、客観的な関連共同性を認めることができる。

以上によれば、被告らは、本件事故によって亡村上に生じた損害を連帯して賠償すべき責任を負う。

二  過失相殺

前記のとおり、被告らには、ともに制限速度を遵守せず、前方に対する安全確認を怠ったという過失が存するが、前記争いのない事実等によれば、亡村上としても、道路を横断する際には、左右の安全を確認することが期待されたところ、その確認に不十分な点があったというべきであるから、本件においては、一切の事情を斟酌し、一五パーセントの過失相殺を行うのが相当である。

三  損害額

1  損害額(過失相殺前)

(一) 逸失利益 四三七万円

逸失利益が四三七万円であることは、当事者間に争いがない。

(二) 文書料等 五三〇〇円

文書料等が五三〇〇円であることは、当事者間に争いがない。

(三) 葬儀費用 一二〇万円

本件事故と相当因果関係にある葬儀費用としては、一二〇万円をもって相当と認める。

(四) 死亡慰藉料 一八〇〇万円

本件事故の態様、亡村上の年齢、その他本件に表れた一切の事情を考慮すると、死亡慰謝料としては、一八〇〇万円を認めるのが相当である。

2  損害額(過失相殺後) 二〇〇三万九〇〇五円

以上掲げた損害額の合計は、二三五七万五三〇〇円であるところ、前記二の次第でその一五パーセントを控除すると、二〇〇三万九〇〇五円(一円未満切捨て)となる。

3  損害額(損害の填補分控除後) 二二六万三七〇五円

前記のとおり、被告らが加入していた自賠責保険からは、原告らに対し、合計一七七七万五三〇〇円が支払われているので、これを過失相殺後の損害額二〇〇三万九〇〇五円から控除すると、二二六万三七〇五円となる。

4  弁護士費用 二〇万円

本件事故の態様、本件の審理経過、認容額等に照らし、相手方に負担させるべき原告らの弁護士費用は合計二〇万円をもって相当と認める。

5  まとめ

以上によれば、損害賠償請求権(元本)の合計は二四六万三七〇五円となり、これを原告村上ヨネが二分の一の割合(一二三万一八五三円)、その余の原告らが各八分の一の割合(各三〇万七九六三円)で有することになる。

四  結論

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 山口浩司)

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