大判例

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大阪地方裁判所 平成2年(ソ)2号 決定

(抄録)

「三 支払命令正本の送達は、受送達者の住所、居所等に現実に正本が到達することによってなされるべきであるが、民訴法一七二条に定める書留郵便に付する送達は、住所、居所等において受送達者に出会わなかったために、通常の交付送達はもとより補充送達もできなかった場合であって、就業場所が判明していないか、または就業場所における送達が効を奏しなかった場合など他に送達方法のない場合に裁判所書記官が住所(その者が現実に常住し、実質的な生活活動を営み訴訟書類を受領しうる場所を意味し、必ずしも住民登録されているところとは限らない。)、居所に対し送達書類を書留郵便に付して発送することにより送達をすることができる制度であり、発送と同時に送達があったと看做されることになるので、受送達者の利益を不当に害しないよう慎重に運用すべきであるところ、本件事実関係の下においては、契約書記載の就業場所に関する資料をはじめ就業場所が判明しないことについての積極的認定資料のないまま手続きが進められたほか、Yの住所は大阪府和泉市○○の姉A方にあって住民票上の住所地たる大阪市△△にはなかった疑いもあり、結局のところ、本件仮執行宣言付支払命令を住民票上の住所地に宛てて書留郵便に付する方法によってなした送達の有効性には疑いがあるといわざるをえない(本件の支払命令申立事件を取り扱った簡易裁判所が住民票上の住民地を住所と認めたのは無理からぬところであるが、結果として客観的な事実関係が前記のとおりであったとすれば送達を有効ということはできないところである。)。よって、期間経過を理由として本件異議申立てを不適法ということはできず、右送達の有効性について右の二点その他に関しなお民訴法四四二条一項に基づく口頭弁論により審理を尽くすのが相当であり、この意味において本件異議申立ては同条項所定の『適法ナル異議ノ申立』であったということができる。従って、この点について、本件送達が有効なものであることを前提に、本件異議申立てが法定期間経過後の申立てであるとして却下した原決定は違法であり取消しを免れない。」

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