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大阪地方裁判所 平成3年(わ)2113号 判決 1992年3月03日

本店所在地

大阪市中央区南船場一丁目一二番五号

株式会社

ローラン

(代表者代表取締役 長谷川吉孝)

本籍

大阪市城東区森之宮一丁目一六番地の二

住居

大阪市阿倍野区松崎町三丁目九番一八号

ノバカネイチ松崎町一二二号

会社役員

長谷川吉孝

昭和二〇年一〇月三日生

主文

被告人株式会社ローランを罰金一二〇〇万円に、被告人長谷川吉孝を懲役一年に処する。

被告人長谷川吉孝に対し、この裁判確定の日から三年間刑の執行を猶予する。

理由

(犯罪事実)

被告人株式会社ローラン(以下、「被告会社」という。)は、大阪市中央区南船場一丁目一二番五号に本店を置き、婦人服製造販売卸等を目的とする資本金一〇〇〇万円の株式会社であり、被告人長谷川吉孝(以下「被告人」という。)は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括していた。被告人は、被告会社の業務に関し、その法人税を免れようと企て、

第一  架空の補助材料仕入れを計上するなどの方法により所得の一部を秘匿して、被告会社の昭和六二年一二月二一日から昭和六三年一二月二〇日までの事業年度における実際の所得金額が二億八〇四一万三九二七円あった(別紙修正損益計算書(一)参照)のに、平成元年二月二〇日、大阪市中央区谷町七丁目五番二三号の所轄南税務署において、税務署長に対し、その所得金額が二億二六五四万七八二七円で、これに対する法人税額が九一四三万四三〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出した。そして、そのまま法定の納期限を経過させた結果、この事業年度における正規の法人税額一億一四〇五万二五〇〇円と申告税額との差額二二六一万八二〇〇円(別紙税額計算書参照)を免れた。

第二  第一と同様の方法により所得の一部を秘匿して、被告会社の昭和六三年一二月二一日から平成元年一二月二〇日までの事業年度における実際の所得金額が一億七一六一万四三六円であった(別紙修正損益計算書(二)参照)のに、平成二年二月二〇日、前記南税務署において、税務署長に対し、その所得金額が一億五一六万三五三六円で、これに対する法人税額が四〇〇五万三三〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出した。そして、そのまま法定の納期限を経過させた結果、この事業年度における正規の法人税額六七九三万七五〇〇円と申告税額との差額二七八八万四二〇〇円(別紙税額計算書参照)を免れた。

(証拠)

全部の事実について

1  被告人の

(1)  公判供述

(2)  検察官調書二通

(3)  質問てん末書一〇通

2  野上哲生(三通)、柏原哲夫の質問てん末書

3  査察官調査書六通

4  登記簿謄本四通

第一の事実について

5  証明書(検察官請求番号3)

第二の事実について

6  証明書(前記番号4、6)

(法令の適用)

一  罰条

(一)  被告会社 法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項

(二)  被告人 法人税法一五九条一項

二  刑種の選択 懲役刑(被告人)

三  併合罪

(一)  被告会社 刑法四五条前段、四八条二項

(二)  被告人 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い第二の罪の刑に加重)

四  刑の執行猶予 刑法二五条一項(被告人)

(出席した検察官福垣内進、弁護人稲田克巳)

(裁判官 三好幹夫)

別紙

修正損益計算書(一)

自 昭和62年12月21日

至 昭和63年12月20日

<省略>

別紙

修正損益計算書(二)

自 昭和63年12月21日

至 平成元年12月20日

<省略>

別紙

税額計算書

<省略>

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