大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪地方裁判所 平成6年(ワ)12413号 判決 1996年6月06日

主文

一  原告の請求を棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第一請求

被告は、原告に対し、一五六四万円及びこれに対する平成六年一二月二〇日から支払済みまで年六分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

本件は、自動車を運転中に人身事故を起こして被害者を死亡させた原告が、被告との間で締結した自動車総合保険契約に基づき、被告に対し、右事故に基づく損害賠償について被害者の遺族との間での示談の代行を依頼したところ、被告はこれを拒絶し、また、その後、原告が被害者の遺族との間で損害賠償金を支払う旨の示談を成立させ、その損害賠償のてん補を求めたところ、被告はこれにも応じないとして、右契約に基づき、損害賠償のてん補として七〇〇万円の支払及び被告が示談の代行を拒絶したことによつて生じた損害として八六四万円並びにこれらに対する訴状送達の日の翌日以降の遅延損害金の支払を求めた事案である。

一  争いのない事実等

以下の事実のうち、1ないし3は当事者間に争いがなく、4は甲第七、第八号証、第二三号証、第二九号証、弁論の全趣旨により、5は甲第一六、第一七号証、第二三号証、原告本人尋問の結果、弁論の全趣旨により、それぞれ認めることができる。

1  被告は、自動車損害賠償責任保険等を業とする会社であり、原告は、被告との間で、原告所有の普通乗用自動車(所沢五七め五二八六。以下「原告車両」という。)につき、対人限度無制限、記名被保険者を原告とする自動車総合保険契約(以下「本件契約」という。)を締結していた。

2  原告は、平成五年五月二三日午後一一時五二分ころ、兵庫県尼崎市西本町二丁目一六番地一先路上(国道四三号線)で、原告車両を運転中、上田辰夫(以下「上田」という。)の運転する自動二輪車(以下「上田車両」という。)との間で交通事故(以下「本件事故」という。)を起こし、その結果、上田車両に乗車していた橋口真之介(以下「真之介」という。)を脳挫滅により死亡させた。この結果、原告は、真之介の遺族に対して損害賠償債務を負担することとなつた。

3  原告は、被告に対し、自家用自動車総合保険約款中の「被保険者が対人事故にかかわる損害賠償の請求を受けた場合……当会社は、当会社が被保険者に対しててん補責任を負う限度において、当会社の費用により、被保険者の同意を得て、被保険者のために、折衝、示談または調停もしくは訴訟の手続(弁護士の選任を含みます。)を行います。」との条項(同約款第一章第五条。以下「示談代行条項」という。)に基づき、真之介の遺族との示談交渉の依頼をした。しかし、被告は、本件事故は原告の故意によるものである可能性があるとして、同約款中の「当会社は、保険契約者の故意によつて生じた損害をてん補しません。」との条項(同約款第一章第九条。以下「免責条項」という。)の適用を主張し、示談交渉を行わなかつた。

4  真之介は、橋口米男(以下「米男」という。)と久保眞紀子(以下「眞紀子」という。)の間に生まれた子であるが、米男は眞紀子と離婚後柴田美千代(旧姓柏木。以下「美千代」という。)と婚姻し、美千代と真之介との間には養親子関係はなかつたものの、美千代は真之介を我が子のように養育し、米男と離婚した後も本件事故に至るまで真之介を養育していた。

そのため、真之介の死亡による損害賠償金の取得にあたり、米男及び美千代と眞紀子との間に紛争が生じ、米男及び美千代は、原告及び眞紀子との間で、本件事故による損害賠償請求ならびに賠償額の配分に関する交渉を始めたが、この示談交渉は進展せず、米男及び美千代は、原告及び眞紀子を相手方として、東大阪簡易裁判所に対し民事調停の申立てをした(以下「本件調停」という。)。右申立書には、本件事故は原告の故意または未必の故意によつて発生したとの記載があつた。

5  原告と米男、美千代、眞紀子との間で、平成六年一〇月一九日、本件事故に基づく損害賠償として、原告が米男らに損害賠償金として七〇〇万円を支払う旨の示談が成立し(以下「本件示談」という。)、原告は、米男らに対し本件示談に基き、七〇〇万円を支払つた。

二  争点

1  被告が示談代行をしなかつたことが被告の債務不履行となるか。

(原告の主張)

本件事故において、原告には、真之介らに対する傷害の故意さえもなかつた。また、仮に、原告に傷害の故意があつたとしても、傷害の故意に基づく行為により被害者を死亡させたことによる損害賠償責任を被保険者が負担した場合については、免責条項の適用はない。被告が免責条項の適用を主張する根拠は、米男らが申し立てた調停事件において申立書の責任原因の記載に故意または未必の故意とあることのみが唯一の根拠であるが、右の記載は米男らの憶測を誇張したものにすぎないのに、被告は、原告に対し事情聴取する等必要な調査を行わないまま、免責条項の適用を主張して、示談代行義務を放棄したものであり、被告の右行為は示談代行条項に違反し、本件契約の債務不履行にあたる。

原告は、被告の右債務不履行のため、被害者の遺族との示談交渉を原告代理人に依頼し、その結果、着手金として一九九万五〇〇〇円、報酬金として一六四万五〇〇〇円の支払を約したほか、被告が、原告の業務上過失致死傷等被告事件の結審が迫つた平成六年七月一五日に至り突如示談代行義務を放棄したことにより、当時刑事訴追を受け示談の成立を急いでいた原告を困惑させたばかりでなく、刑事手続上の原告の地位を著しく不利なものとし、原告を実刑判決の危険にさらすことによつて、原告に多大な精神的苦痛を与えたが、原告の受けた右精神的苦痛を慰謝するためには五〇〇万円が相当である。

(被告の主張)

本件事故は、原告の故意によつて生じたものであるから、被告は示談代行義務を負わない。仮にそうでないとしても、本件事故に免責条項が適用される場合、被告は被害者に対して保険金を支払う義務を負わないことになるから、免責条項の適用の有無について被告と原告とは利害が相反する関係にたち、本件事故の被害者である真之介の遺族らが本件事故を原告の故意によるものであると主張している以上、被告が示談の代行を拒絶するのは当然であり、右行為は本件契約の債務不履行となるものではない。

2  被告は、原告が真之介の遺族らに支払つた損害賠償金を原告にてん補すべき義務があるか。

(原告の主張)

自家用自動車総合保険約款には、被保険者は、損害賠償請求を受けた場合には、あらかじめ保険会社の承認を得ないで、その全部または一部を承認してはならない旨の条項(同約款第六章第一四条)があるが、右義務違反の効果は、被保険者が被害者に支払つた金額から、損害賠償責任がないと認められる額を差し引いて保険金を支払うものとされているにすぎない(同約款第六章第一五条三項)ものであるところ、上田車両に乗車していたにすぎない真之介には格別の過失はなく過失相殺を考慮する必要はないと考えられるから、原告は、真之介の遺族に対し別紙のとおり五五三〇万二三五〇円もしくは五二〇八万九一五〇円の損害賠償債務を負担したというべきであり、原告が真之介の遺族に対して支払つた金額は七〇〇万円であり、自賠責保険から支払われた三〇〇〇万円を控除してもなお右損害賠償債務の範囲内であるから、被告は、原告に対し右七〇〇万円をてん補すべき義務を負う。

(被告の主張)

本件事故は原告の故意によるものであるから免責条項の適用がある。仮にそうでないとしても、原告は、本件示談を成立させるにあたつて被告の同意を得ていないし、本件示談によつて原告が支払つた損害賠償金七〇〇万円も、任意保険の「自動車対人賠償保険支払基準」によらずに、しかも、真之介は、上田が無免許で大幅な速度違反をして運転していることを容認し、ヘルメツトをかぶらず上田車両に同乗していたのであるから、五〇ないし六〇パーセント以上の過失相殺がされるべきであるのにこれを考慮しないで決定されたもので相当な額とはいえず、被告は、原告に対し右七〇〇万円をてん補すべき義務を負うものではない。

第三当裁判所の判断

一  争点1について

1  甲第三号証の一、二、第四ないし第六号証、第九号証、第一一ないし第一三号証、第二三ないし第二五号証、第二九号証、乙第一、第二号証、第四ないし第七号証及び証人上田辰夫の証言、原告本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。

(一) 本件事故は、原告が、前記道路を神戸方面から大阪方面に向けて進行中、西宮市所在の甲子園球場陸橋付近にさしかかつた際、原告車両の前方に約四台の暴走族風の自動二輪車の集団が時速一〇ないし二〇キロメートル程度の低速度で蛇行を繰り返し、他の車両の走行を妨害し渋滞を引き起こしているのを発見し、帰路を急いでいたことからこれに腹を立て、尼崎市所在の出屋敷交差点付近で、まず他の車両の先頭に出たうえ、順次右自動二輪車を抜き去ろうとしたが、原告車両が右自動二輪車のうちの一台に衝突したことから興奮し、更にその先頭を走つていた上田車両を抜き去ろうとして、時速八〇ないし一〇〇キロメートルの高速で赤信号を無視し上田車両を追跡するような形で走行したが、車線変更をしようとした際に原告車両の右前部を上田車両左後部に接触させて上田車両を転倒させ、上田を負傷させるとともに、上田車両の後部に乗車していた真之介を死亡させたというものであつた。

なお、最初の衝突については、原告はなんら回避措置をとつていないばかりか衝突の起こつた原因についての説明もしていないうえ、捜査段階で作成された原告の供述調書には、「暴走族にできる限り接近し、暴走族より私の方が優位に立つて彼らを怖い目に遭わせて思い知らせてやろうと思つた。」、「高速度の単車に接触すれば、単車はバランスを失つて転倒し、乗つていた者は大怪我をし、まして乗つていた者がヘルメツトをかぶつていなければ死亡するかも知れないことも十分にわかつていた。」旨の記載があるほか、本件事故の被害者である上田辰夫も、本件事故は、原告が故意に上田車両に衝突したものだと思つており、また、美千代も、本件事故は原告が上田らにカツとなつて上田車両に衝突したものであると聞かされていた。

(二) 原告は、本件事故後間もない平成五年六月ころから、被告に対し示談の代行を依頼していたが、被告は、当初、原告の起訴罪名等が不明で、示談の代行ができるかどうか判断できないと回答しており、原告は、本件事故に関し、平成六年三月二八日、神戸地方裁判所尼崎支部に業務上過失致死傷、道路交通法違反の罪名で起訴されたため、平成六年四月八日、起訴状謄本を被告にフアツクスによつて送信したところ、被告は、示談交渉のため、岩崎英世弁護士(以下「岩崎弁護士」という。)を選任した。その後、原告は、本件調停の申立てがあつたことからその旨岩崎弁護士に伝え調停期日に出頭するよう要請するとともに、平成六年六月三日付で、東大阪簡易裁判所に、岩崎弁護士に調停事件の代理を委任したとの委任状を提出したが、岩崎弁護士は、平成六年六月一六日に開かれた第一回調停期日には出頭せず、平成六年七月一五日付で、原告に対し、右調停事件の申立書に原告が故意(未必の故意)によつて本件事故を起こしたとの記載があるが、原告に故意がある場合には免責条項の適用があり、その場合被告と原告とは法律上利害相対立することになるので法律上原告の代理人となることはできないとして、原告の代理人を辞任する旨の通知をした。また、被告も、平成六年七月二〇日付で、原告に対し、免責条項の適用の有無が解決されておらず、保険金の支払については判断しかねる状況にある旨通知した。

2  自家用自動車総合保険契約において、対人事故が生じた場合、保険会社は、「てん補責任を負う限度において」被保険者のために示談を代行すべきこととされていることから、免責条項の適用がある場合には、保険会社は当該事故によつて生じた損害をてん補すべき義務がなく、示談の代行をする義務もないことになる。ところで、示談の相手となる被害者等が当該事故を故意によるものであると主張している場合、保険会社は当該事故が故意によるものであるかどうかによつて保険金の支払義務を免れるかどうかが左右されることになるから、右事実の確定に関しては保険契約者との間で利害が相反する関係となり、このような場合にまで保険会社が被害者等と示談を行わなければならないとするのは、自家用自動車総合保険契約の当事者の通常の意思に反し、また示談の相手方となつた被害者らをも不安定な状態におくものというほかない。したがつて、被害者が保険契約者に故意があることを主張している場合には、それがなんら合理的な根拠に基づくものでないなど免責条項の適用がないことを容易に知りうるような場合は格別、そうでない限り、保険会社は、免責条項の適用のありうることを理由に、保険契約者に対し、示談の代行を拒むことが許されると解すべきである。

そうすると、本件では、証拠上本件事故が原告の故意によるものであるとまでは認められないものの、前記認定事実によると、被告は、本件事故は免責条項の適用の有無が問題となるものであるとの認識を早い時期から持つていたことが認められ、しかも、前記のような本件事故の態様や捜査状況に照らすと、客観的にも本件事故は免責条項の適用の有無が問題となりうる事案であつたということができるから、被告が原告からの示談代行の依頼を拒んだことは本件契約上の債務不履行となるものではないというべきである。

なお、原告は、被告は原告に対し事情聴取する等必要な調査を行わないまま示談代行義務を放棄したと主張するが、右の事情に照らすと、仮に本件で被告がそのような調査をしたとしても、結局は被告自身の判断で免責条項の適用の有無を判断することは困難であつたといえ、右事実をもつて被告に債務不履行があるということもできない。

二  争点2について

1  甲第一〇号証、第一二号証の一、二、第一五ないし第一七号証、第二三、第二四号証、第三〇号証、乙第二号証、第四号証、第七号証及び証人上田辰夫の証言並びに弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。

(一) 原告は、被告が示談の代行を拒んだため、刑事事件の弁護人である原告代理人に示談を依頼した。そこで、原告代理人は、米男らとの間で示談の交渉を行うとともに、被告には、原告が米男らに支払う損害賠償金をてん補するよう求めたが、これに対し、岩崎弁護士は、平成六年七月一五日付で、被告の代理人として、原告代理人に対し、免責の有無を総合的に検討し、原告が調停を成立させる場合、やむをえず協力して、一一五万六九四八円の限度で保険金を支払う旨通知したにとどまつたため、原告代理人は、被告に対し、平成六年七月一九日、原告自身において示談交渉を行う旨通知するとともに、原告が真之介の遺族に賠償を支払つた場合には保険金を支払うよう連絡した。その後、平成六年一〇月一九日になつて本件示談が成立し、その直後の平成六年一〇月二五日に原告の刑事事件は結審し、原告は執行猶予付きの有罪判決を受けた。

(二) 上田と真之介はともに同じ暴走族に入つていた仲間であり、上田も真之介も無免許であり、また上田車両を含め当日一緒に走つていた自動二輪車は暴走族用に改造されたものであり、特に上田車両は車検の有効期限が経過し、ナンバープレートもはずされたものであつた。上田車両のほかの自動二輪車は、道路一杯になつて蛇行を繰り返し、また、後部に乗車していた者は、棒状の物を振り回すなどして、他の車両の走行を妨害していた。また、本件事故当時、上田も真之介もヘルメツトを着用していなかつた。

2  前記のとおり、自家用自動車総合保険約款は、被保険者は、損害賠償請求を受けた場合には、あらかじめ保険会社の承認を得ないで、その全部または一部を承認してはならないとしながら、被保険者が右義務に違反して損害賠償を承認した場合には、被保険者が被害者に支払つた金額から、損害賠償責任がないと認められる額を差し引いて保険金を支払うべきものとしている。これらの条項の趣旨は、被保険者が保険会社の関与なしに被害者らとの間で自由に損害賠償額を確定することができるとすれば、右確定した額が実際の損害額を反映した適正な額となる保証がなく、保険会社の利益が害されることになる反面、被保険者が承認した損害賠償の額が適正なものであることが判明すれば、保険会社はその支払を拒むべき根拠がないことになるからであると解される。したがつて、被保険者が、あらかじめ保険会社の承認を得ないで被害者等に損害賠償金を支払つたとしても、被保険者はこれにより保険会社からそのてん補を受けることができなくなるわけではなく、適正な損害賠償額を自ら主張立証すれば、その限度で保険会社からてん補を受けることができるものと解すべきである。

ところで、交通事故の加害者は、被害者にも過失があることを指摘し応分の過失相殺をすべきことを主張してできる限り賠償額を低額にとどめようとするのが通常であり、特に、本件事故においては、証拠上、上田車両に乗車していた際の真之介の行動には明らかでない面があるものの、前記認定のとおり、真之介も上田と同じ暴走族に所属し、本件事故当日も、後部に乗車した者の中には棒状の物を振り回して他の車両の妨害をしていた者がいることが認められるから、真之介が上田の違法かつ危険な運転を容認し、かつ、自らも積極的に他の車両の通行を妨害し、そのことが本件事故を招く一因になつた可能性があることは否定できず、しかも、前記のとおり本件事故当時真之介はヘルメツトを着用していなかつたことが認められ、これが真之介の受けた脳挫滅に大きく影響していることが窺われるのに、原告が真之介には格別の過失がないと主張するのは明らかに不自然であるというべきである(なお、真之介の損害額を原告主張のとおり五五三〇万二三五〇円とするとしても、仮に真之介に五割の過失があるとしてこれを控除すると、二七六五万一一七五円となり、この額から自賠責保険からの支払額三〇〇〇万円を控除するとすべて既払となる。)。

また、本件示談は、真之介との間に養親子関係がなく、法律上相続人の地位にはない美千代をも含めてされたものであり、原告が米男らに支払つた七〇〇万円という額がどのようにして決定され、どのように配分されたのかも不明である。しかも、もともと、米男及び美千代と眞紀子との間で、損害賠償金の配分について紛争があり、そのために米男らが民事調停の申立てをしたこともあつたのに、原告の刑事事件の結審間際になつて、右配分が明らかにされない示談が成立したことに照らすと、本件示談は、原告が刑事事件において有利な情状を得るためにされたものである性格が濃厚であるといわざるをえない。

これらの事情に照らすと、原告が米男らに支払った七〇〇万円が、真之介や米男らに現実に生じた損害額を反映したものであるかどうかについては疑問があるといわざるをえず、右金額が適正な賠償額の範囲内であると認めるに足りないから、被告は、原告に対し、右金員をてん補すべき義務を負うものではないというべきである。

三  よつて、原告の請求は理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判官 濱口浩)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例