大阪地方裁判所 平成7年(ワ)10247号 判決 1998年9月10日
原告 マツイコーポレーション株式会社
被告 シャディ株式会社
主文
一 被告は、原告に対し、金二〇四万一一一七円及びこれに対する平成八年二月一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
二 原告のその余の請求を棄却する。
三 訴訟費用はこれを五分し、その四を原告の、その余を被告の各負担とする。
四 この判決の第一項は、仮に執行することができる。
事実及び理由
第一請求
被告は、原告に対し、金一二四一万万八〇〇〇円及びこれに対する平成八年二月一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
第二事案の概要
一 基礎となる事実(以下、書証の枝番号の記載は省略する。)
1 原告による原告商品の販売
原告は、平成六年六月ころから、「BEAR′S CLUB」と題する別紙原告商品目録記載の一ないし六のタオルセット(以下「原告商品一」ないし「原告商品六」といい、これらを併せて「原告商品」という。)を販売している(甲第二二号証、弁論の全趣旨)。
2 被告による被告商品の販売
(一) 被告は、平成七年五月ころから同年八月ころまでの間、「DECOT BEAR′S COLLECTION」と題する別紙被告商品目録一記載の一ないし六のタオルセット(以下、「被告旧商品一」ないし「被告旧商品六」といい、これらを併せて「被告旧商品」という。)を販売した。
(二) また、被告は、平成七年年八月ころから平成八年一月ころまでの間、被告旧商品に代えて、別紙被告商品目録二記載の一ないし六のタオルセット(以下「被告新商品一」ないし「被告新商品六」といい、これらを併せて「被告新商品」、被告旧商品と被告新商品とを併せて「被告商品」という。)を販売した(以上、乙第三ないし六号証、乙第二一、二四号証、弁論の全趣旨)。
二 原告の請求
本件は、被告が販売した被告旧商品一ないし六及び被告新商品一ないし六は、それぞれ原告が販売する原告商品一ないし六を模倣したものであるから、右被告商品の販売行為は、不正競争防止法二条一項三号(以下「本号」という。)の不正競争行為(形態模倣行為)に該当するとして、原告が、被告に対し、同法四条に基づき、右行為によって被った損害の賠償を求めた事案である。
三 争点
1 被告商品は原告商品を模倣したものか。
2 原告商品の形態は第三者の商標権を侵害するものか。また、その場合でも、原告商品の形態は本号により保護されるか。
3 原告に損害は生じているか。
4 原告が被告に対して請求し得る損害の額。
第三争点に関する当事者の主張
一 争点1(被告商品は原告商品を模倣したものか。)について
【原告の主張】
1 原告商品と被告商品との形態上の実質的同一性について
(一) 原告商品には、次のような形態上の特徴がある。
(1) 茶色の小熊の人形(目と鼻は黒く、鼻の周りは白い。)がついている。
(2) 小熊の人形には、白いポンポンのついた赤い帽子をかぶせている。
(3) その小熊は、丸いタオルハンガーを持っている。
(4) かわいい小熊のキャラクターをタオルにプリントしている。
(5) 小熊のキャラクターのプリントの合間に、商品名(「BEAR′S CLUB」)及びロゴ(「The boy was bent on mischief」)をプリントしている。
(6) 各タオルセットは、人形、タオルハンガー、フェイスタオル、ウォッシュタオル、バスタオル及び籐カゴの組合せから成り立っている。
(7) 赤を基調に、青と白を加えたトリコロールの箱に商品を詰めている。
(二) 被告旧商品は、右の特徴をすべて備えるとともに、その一ないし六は、六種類とも、タオルセットの取合せ及び値段において、それぞれ原告商品一ないし六と同一である。
また、被告新商品は、被告旧商品にキッチンクロスを付加しただけであり、それによって商品形態の実質的同一性は失われない。
原告商品と被告商品との比較をまとめると、別紙原被告商品比較表一(各項目中に「原告」、「被告」とある場合は「原告」の部分)のとおりであり、各構成物品の質的形状、量的形状、模様及び色彩並びに商品全体の構成及び印象のほとんどすべてが同一であり、両者は実質的に同一の形態である。
(三) 被告は種々の相違点を指摘するが、本号の「模倣」とは、先行者の商品に創作を加えず、そっくりそのままのコピーをした直接利用の場合が典型であるが、創作を加えた場合であっても、寄生的な行為で、参考にしたとか準拠したというような評価のレベルを超えている場合(いわゆる隷属的模倣の場合)を含むものと解すべきであるところ、被告の指摘する点は、いずれも原告商品の特徴的部分に関するものではなく、周辺又は枝葉の部分に関する差異であるから、被告商品の形態上の相違点は些細なものであって、その形態は原告商品とは実質的に同一である。
2 被告の原告商品に対するアクセスについて
原告商品は、被告商品の販売より約一年前から市場で広く販売されており、被告は、原告商品にアクセスした上で、その取合せ及び値段を同一とする被告商品を販売したものである。
3 以上により、被告商品は、原告商品を模倣したものである。
【被告の主張】
1 原告商品と被告商品との形態上の実質的同一性について
(一) 被告商品には、主として次の点で原告商品と形態上の相違がある。
(1) 商品等の文字の相違
ア 原告商品の名前は「BEAR′S CLUB」であるのに対し、被告商品の名前は「DECOT BEAR′S COLLECTION」である。
イ また、商品に記載されたロゴは、原告商品では「The boy was bent on mischief」であるのに対し、被告商品では「We all live in busty town Decot 」である。
(2) タオルにプリントされた小熊の絵の相違
ア 原告商品においては、タオルには多数の小熊の絵が配置されており、しかも小熊の色調が比較的強いため、小熊が賑やかに勢揃いしている印象を受けるが、被告商品においては、タオルに配された小熊の絵は、タオル一枚につき一頭ないし二頭であり、しかも色彩が淡い黄色系統であるため、タオルにおける小熊の印象は地味であり、淡泊である。
イ 原告商品では、小熊の絵の色は茶色系統であるのに対し、被告商品では、黄色系統である。
ウ 原告商品では、プリントされた小熊は、セーラー服とズボン等の服装で立ち姿であるが、被告商品では、ノースリーブのシャツと短いパンツの服装で座った姿勢である。
(3) 小熊の人形の顔の下に配されたアクセサリーの相違
原告商品では、小熊の人形は、赤い縞模様が施された曲折された棒形状のアクセサリーを持っており、小熊は「少しやんちゃな男の子」との印象を与えるが、被告商品では、小熊の人形は、白い帯が回された赤い小さな袋を持っており、小熊は「可憐な女の子」との印象を与える。
(4) 丸いハンガーの相違
原告商品では、ハンガーは赤色であるが、被告商品では肌色である。
(5) 包装箱の相違
ア 原告商品と被告商品とでは、包装箱のサイズが異なっている。
イ 原告商品では、包装箱は赤地に、赤・白・青のストライプが施されているが、被告商品では、赤地に、横方向にチェック柄が設けられている。
(6) ビニールカバーに貼られたシールの相違
(7) タオルの生地の相違
被告商品には、原告商品よりも上質の生地が使われている。
(8) キッチンクロスの存在の相違
被告新商品には、原告商品にはないピンク色のキッチンクロスが配されている。キッチンクロスは、ピンク色で、表面にはハートの模様が配されており、包装時においては全体の約四分の一弱のスペースを占めていて、被告新商品に女性的な優しい印象をもたらしている。
(9) 各物品の構成の相違
原告商品とそれに対応する被告商品とでは、小熊の人形やタオルが配されている位置関係が相違しているものがある。
(二) また、細部については、別紙原被告商品比較表一(各項目中に「原告」、「被告」とある場合は「被告」の部分)のとおりの相違点がある。
(三) 本号の「模倣」は、意匠の類似関係等に比べてはるかに狭い概念であり、ほとんど同一の関係になければ形態の「模倣」には該当しない。
本商品の購入者である幼児にとっては、小熊の印象やかわいらしさが強く注意を惹く要部であるが、(一)(2) のとおり、原告商品と被告商品とでは、その要部において大きな相違がある。
また、(一)及び(二)記載の相違点により、原告商品が「小熊の数が多く、その色調は強く、全体として活発な男の子の印象」を与えるのに対し、被告商品は、「小熊は数が少なく、色調は淡く、赤い袋やキッチンクロスがあることから、全体としてかわいい女の子の印象」を与えるという印象上の相違もある。
(四) 以上により、被告商品は、原告商品を模倣したものとはいえない。
2 被告の原告商品に対するアクセスについて
原告商品のような熊のキャラクターをあしらった商品は数多くあり、被告は、原告商品を含めた数多くの商品を参考にして独自の商品企画を行って被告商品を商品化したものであり、原告商品を模倣したわけではない。
3 以上により、被告商品が原告商品を模倣したものとはいえない。
二 争点2(原告商品の形態は第三者の商標権を侵害するものか。また、その場合でも、原告商品の形態は本号により保護されるか。)について
【被告の主張】
1 原告商品の名称である「BEAR′S CLUB」は、原告商品の形態の一部をなしているところ、それは、訴外丸高衣料株式会社(以下「丸高衣料」という。)が商標権者である別紙商標目録記載の商標(「BEAR CLUB」)と称呼及び観念が同一であるから、原告商品の販売は、丸高衣料の商標権を侵害する。このように、原告商品の形態は違法に取得されたものである。
2 原告は、自らの商品販売により他人の商標権を侵害して取引秩序を侵害しておきながら、当該侵害品により、被告に対しては、不正競争防止法違反を主張するという矛盾した行動をとっているものであり、原告の本件請求は、著しく信義に反する。また、本件では、丸高衣料は、原告の商標権侵害行為を非難している。したがって、原告は、違法に取得された自己の商品形態の保護を求め得る地位にないというべきである。
【原告の主張】
1 原告商品のロゴである「BEAR′S CLUB」が原告商品の中で占める割合はかなり小さなものである。原告の商品は、現在ではロゴを「BEAR′S TRIO」に変えているが、右変更後も原告商品の形態上の同一性は失われていない。したがって、原告商品の形態が商標権侵害により獲得されたものであるとの被告の主張は失当である。
2 また、仮に原告商品の形態の取得過程に何らかの違法行為があったとしても、不正競争防止法が公正な競争秩序を維持することを目的としていることからすれば、本件でも右目的を達成するために被告の形態模倣行為を禁止すべきであって、原告の違法行為は商標法によって別途規律すれば足りる。
仮にそうでないとしても、原告商品の形態の保護が否定されるためには、原告の商品販売行為が反良俗的行為であることを要すると解すべきところ、被告は、原告商品の販売が商標権侵害であると主張するのみであって、その販売が反良俗的行為であること(たとえば原告の商標権侵害行為が故意に基づくことなど)については主張・立証していない。
3 原告は、平成七年一二月一一日、丸高衣料との間で商標権侵害に関して和解契約を締結し、和解金として金四五八万八五九六円を支払った。
三 争点3(原告に損害は生じているか)について
【原告の主張】
1 原告商品の売上は、被告商品の販売が開始された平成七年五月から減少しており、被告商品の販売により、原告には損害が生じている。
2 原告の原告商品の販売行為が丸高衣料の商標権を侵害しているとしても、原告は、平成七年一二月一一日、丸高衣料との間で商標権侵害に関して和解契約を締結し、和解金として金四五八万八五九六円を支払ったのであるから、この場合でも、なお原告の被告に対する損害賠償が認められないとすれば、被告のみが違法行為によって獲得した利益を温存できることになり、公正な競争秩序の維持を目的とする不正競争防止法の趣旨は没却されてしまう。
また、原告の商標権侵害行為は過失による行為であるのに対し、被告の形態模倣行為は「模倣」という故意に基づく行為であるから、違法行為の態様において被告の行為は強度の反良俗性を帯びている。過失による違法行為を行ったにすぎない原告が損害賠償責任を履行しているにもかかわらず、故意による違法行為を行った被告が損害賠償責任を負わないとすることは、実質的に考えても容認できない不当な結論である。
【被告の主張】
1 原告が本件で損害賠償請求の対象とする逸失利益は、丸高衣料の商標権を侵害する商品の販売によって得られたであろう利益であるから、これを保護することは商標権侵害行為を奨励又は容認することになり、認められない。
2 また、原告が原告商品の販売によって利益を得たとしても、それは丸高衣料に対する商標権侵害による損害賠償債務となって消えるべきものであるから、原告に逸失利益はない。仮に原告が丸高衣料と和解をして損害賠償債務の免除を受けたことにより利益が生じ得るとしても、それは和解契約に基づく非通例的な利益であり、営業活動(原告商品の販売)による通例的利益ではなく、被告の行為との間に相当因果関係がない。
3 以上により、本件では、原告には損害は発生していないというべきである。
四 争点4(原告が被告に対して請求し得る損害額)について
【原告の主張】
1 不正競争防止法第五条一項は、不正競争行為者が、その侵害の行為により受けた利益の額を被害者の損害の額と推定する旨規定する。
右のような推定規定が設けられた政策的目的は、不正競争行為の被害者が不正競争行為による損害賠償を求めようとする場合、損害の中心となることの多い得べかりし利益の喪失による損害(逸失利益)の範囲の認定及び損害額の算定については、侵害者の不正競争行為がなかったならば被害者が得られたであろう利益という、現実に生じた事実と異なる仮定の事実に基づく推論という事柄の性質上から、不正競争行為の因果関係の存在、損害額算定の基礎となる各種の数額等を証明することに困難がある場合が多いので、現実に、不正競争行為をした者がその不正競争行為により得た利益の額をもって被害者の逸失利益と推定することによって、被害者の損害証明の方法の選択肢を増やして被害者の救済を図るとともに、不正競争行為者に推定覆滅のための証明をする余地を残して、被害者に客観的に妥当な逸失利益の回復を得させることにあるものと解される。そして、右推定規定の前提には、被害者と競争関係にある不正競争行為者が不正競争行為によって現実にある販売収支実績を上げている以上、被害者も同じ販売収支実績を上げ得る蓋然性があるとの推定を裏付ける社会的事実の認識があるものと認められる。
したがって、推定の前提事実である不正競争行為者が侵害の行為により受けた利益の意味も、財務会計上の利益概念にとらわれることなく、推定される事実との関係で定めるべきである。原告のように、原告商品の開発を完了し、開発のためのプリント型の製造、包装用外箱等のデザインについての投資を経て、現実に営業的製造販売を行っている場合には、新たな開発のための投資や従業員の雇用を要さず、そのままの状態で製造販売ができる台数の範囲内では、原告の逸失利益とは、原告の商品の売上額から仕入価格等の販売のための変動経費のみを控除した販売利益と考えるべきである。そして、被告商品の販売数は、原告において新たな投資や人件費の増加を要さず、そのままの状態で製造販売ができる個数の範囲内にあるものと認められるところ、推定される対象の逸失利益がそのようなものである本件の場合は、推定の前提事実である不正競争行為者が侵害の行為により受けた利益の額も、被告商品の売上額からその仕入価格等販売のための変動経費のみを控除した額と考えるのが相当であり、被告商品の開発費用、人件費、一般管理費、製造管理費等は控除の対象とはしないものと解するのが相当である。
2 被告は、平成七年五月から平成八年一月にかけて、被告商品を販売して合計六九一八万四〇〇〇円の売上げを得、仕入代金として合計五八二六万六〇〇〇円を支払った。
被告が被告商品を販売した平成七年五月から平成八年一月は、原告が原告商品の製造販売を開始してから一〇か月が経過し、原告においては原告商品の製造に必要なプリント型の開発及び包装用外箱の写真等のデザインは完了していた。そして、原告が原告商品を発注する下請の生産能力の限度は、少なくとも月間二万四八三四個程度(被告商品の販売開始直前である平成七年三月に最高出荷数を記録している。)であるところ、平成七年四月から平成八年一月までの月間平均出荷数は一万一〇八九個であって、なお生産能力に余力があり、また販売された被告商品の個数に相当する六万三五八八個(月間平均六三五八個)を原告が製造販売したとしても、人件費、製造管理費、一般管理費が原告が実際に支出したよりも更に増額する必要はなかった。
3 以上によれば、1の趣旨での被告の得た利益の額は、六九一八万四〇〇〇円の売上額から、仕入代金額である五八二六万六〇〇〇円を控除した一〇九一万八〇〇〇円であると認めるのが相当であり、原告は同額の得べかりし利益を失ったものと推定される。
4 原告は、本件訴訟の提起、維持のために弁護士である原告訴訟代理人らを選任したところ、本件事案の性質、内容、審理の経過、訴訟の結果及びその他諸般の事情を考慮すると、一五〇万円をもって、被告の不正競争行為と相当因果関係のある損害(弁護士費用)として被告がこれを賠償する義務がある。
5 よって、被告は、右3及び4の合計額である金一二四一万八〇〇〇円及びこれに対する被告の不正競争行為の後である平成八年二月一日から支払済みまで年五分の割合による遅延損害金の支払義務がある。
【被告の主張】
1 前記のように、本件では原告には損害は発生していないから、不正競争防止法五条一項はその適用の前提を欠く。
2 不正競争防止法五条一項に関する原告の考え方は、一般的な考え方とはいい難く、同項により損害の額と推定される利益の額とは、特段の事情のない限り、侵害者の売上高から、売上原価のみならず、販売費及び一般管理費を控除したいわゆる純利益と解すべきである。
3 仮に原告のような考え方を採るとしても、その実質的根拠に照らせば、その考え方によるためには、侵害者の行為がなければ権利者が利益を得られたであろうという蓋然性が必要であると解すべきである。ところが、本件では、被告が被告商品を販売していた期間中の原告の一か月当たりの売上数は、それより前の時期と比べて増加しており、また、被告が被告商品の販売をやめた後の原告の一か月当たりの売上数は、それ以前と比べて減少しているから、被告の行為がなければ原告が利益を得られたであろうという蓋然性がない。したがって、少なくとも本件では、原告の考え方は妥当しない。
4 被告は、被告商品を、原告主張のとおり、平成七年五月から平成八年一月にかけて販売し、合計六九一八万四〇〇〇円の売上げを得、これに対する仕入代金として合計五八二六万六〇〇〇円を支払った。また、被告商品の販売に要したと考えられる販売費及び一般管理費は九二七万六八八二円(被告の全売上高に対する販売費及び一般管理費の比率一三・四〇九パーセントを被告商品の全売上高に乗じたもの)と推定される。
したがって、原告が被告に対して請求し得る損害の額として推定される被告の得た利益の額は、右売上額から右仕入代金及び被告商品の販売に要したと考えられる右販売費及び一般管理費を控除した一六四万一一一八円とすべきである。
第四争点に対する当裁判所の判断
一 争点1(被告商品は原告商品を模倣したものか。)について
(一) 甲第一、二号証、乙第一二ないし二〇号証、検甲第一ないし一二号証、検乙第一、二号証及び弁論の全趣旨によれば、原告商品と被告商品の具体的形態は、包装箱又は籐カゴに収納された状態において別紙原被告商品比較表二のとおりであると認められる。なお、これらの商品は、いずれも包装箱又は籐カゴに収納された状態で展示され、購入されるのであるから(甲第一、二号証)、その形態は、右収納状態のものを中心にとらえるのが相当である。
(二) 右認定にかかる原告商品と被告商品の形態上の同一性については、次のように考えられる。
(1) 包装箱に収納された状態の原告商品を正面から見た場合に、形態上の最も大きな特徴として看取されるのは、小熊の人形と小熊の絵が描かれたタオルがそれぞれ大きなブロックを形成し、それらが組み合わされて全体としての商品を構成しているという点である。
ア このうち、小熊の人形については、原告商品及び被告商品は、その大きさ、色及び表情においてほぼ同一のものであり、加えて、左耳の上に白いポンポンのついた赤色の三角錐状の帽子をかぶせている点、胸部分に丸い輪のタオルハンガーが取り付けられている点も同一であり、これらは小熊の人形を特徴づけており、見る者の注意を惹くところでもあるから、全体としてほぼ同一の形態であるということができる。
被告は、小熊が持っているアクセサリーの相違、タオルハンガーの色の相違を指摘する。しかし、まずアクセサリーについては、原告商品では杖状であり、被告商品では袋状であるといった違いがあるものの、いずれも小熊が両手で持つように配置されている上に、いずれも色彩が赤と白から成っているものであって、前記のような小熊の人形自体の全体的な同一性に照らすと、些細な相違にとどまるというべきである。また、タオルハンガーについても、色彩において原告商品では赤茶色、被告商品では茶色がかかった黄色といった差異があるものの、その形状、大きさ及び取付場所はほぼ同一であり、さらに前記のような小熊の人形自体の全体的な同一性に照らすと、やはり些細な相違にとどまるというべきである。
イ 次に小熊の絵が描かれたタオルについては、原告商品と被告商品のいずれにおいても、白地のタオルに数頭のかわいい小熊の絵が描かれている点、小熊の色が茶色である点、その服と帽子の色が赤、青、緑及び黄の組合せから成っている点、熊の絵の間には「BEAR」を中心とするロゴが記されている点が共通しており、これらの点は、タオルの柄を構成する基本的部分であって、形態上の印象の強い部分というべきである。
もっとも、原告商品と被告商品とでは、被告指摘のとおり、描かれた小熊の絵、色、姿勢、服装及び小熊の数並びにロゴの文字に異なる点がある。しかし、これらの相違点は、前記の基本的部分の共通点やアで指摘した小熊の人形の同一性に照らせば、小さな相違にとどまっているものというべきである。
したがって、タオル自体についても、類似性の強い形態であるというべきである。
ウ 小熊の人形及びタオルの組合せについても、原告商品一ないし六は、それぞれ被告旧商品一ないし六と商品の構成が全く同一であり、大きさもほぼ同一である。もっとも、原告商品と被告商品とでは、タオルと小熊の人形の配置が左右逆となっているが、形態がほぼ同一の小熊の人形とタオルが同じ取り合わせで包装箱の中に収納されていることを考えれば、左右が逆になっていることは、形態上の大きな相違とはならない。
また、被告新商品一ないし六は、原告商品と比べて、ピンク地に赤白のハートの模様が多数散りばめられたキッチンクロスが小熊の人形の下部に配されている点が異なる。このキッチンクロスは、その余の部分と明らかに色彩や模様が異なり、その占める面積も比較的大きなことから、この相違を軽視することはできないように考えられなくもない。しかし、原告商品も被告商品も、かわいい小熊をモチーフとするタオルセットであって、ほぼ同一の形態の小熊の人形を包装箱の左右又は中央に配置し、その横に類似性の強い形態のタオルを配置している状況においては、小熊とは形態上の関係がないキッチンクロスの比重は相対的に低くなるというべきであり、その存在を考慮しても、なお商品全体の形態上の同一性を失うまでには至らないと判断される。
その他、商品の外装として、原告商品と被告商品とでは、包装箱の色彩がいずれも赤、白及び青の三色から成る点も共通しており(ただし模様は若干異なる。)、籐カゴのついている商品については、包装箱の上面と前面が切り抜かれて、透明のプラスチックが貼られている点も共通している。
(2) 被告は、主として小熊の人形が持っているアクセサリーの色、タオルの柄及びキッチンクロスの存否の相違から、原告商品では全体として活発な男の子の印象を与えるのに対し、被告商品では全体としてかわいい女の子の印象を与えると主張する。たしかに、子細に観察すれば、タオルにおける小熊の絵の相違からそのような印象の差が生じ得ることは理解できる。しかし、原告商品も被告商品もその第一印象は、小熊をモチーフとしたかわいらしいタオルセットというものであって、被告が指摘する印象の差は、両者を子細に見比べた上でようやく理解できることである。したがって、この点を重視することはできない。
(3) 以上を総合すれば、原告商品一ないし六と、被告旧商品一ないし六及び被告新商品一ないし六とは、全体としてそれぞれ実質的に同一の形態であると認めるのが相当である。
(三) また、原告商品の販売の開始は、被告商品の販売開始の約一一か月前であり、被告が被告商品を製造するに当たっては既に販売されていた商品を参考としたこと(証人五月女永二)、小熊をモチーフとするタオルセットの形態には、他に選択する余地があり得るにもかかわらず形態も取り合わせも実質的に同一の商品を販売したことからすると、被告は、被告商品を製作するに当たり、原告商品を主観的に模倣したものと推認される。
(四) 以上により、被告商品は、原告商品の形態を模倣したものと認められる。
2 争点2(原告商品の形態は第三者の商標権を侵害するものか。また、その場合でも、原告商品の形態は本号により保護されるか。)について
(一) 後掲各証拠によれば、次の事実が認められる。
(1) 原告商品中のタオルには、「BEAR′S CLUB」とのロゴが包装箱に収納された状態で外から見えるように記されており、それが商品名となっている(甲第一号証、検甲第七ないし一二号証)。
(2) 丸高衣料は、別紙商標目録記載の商標権を有している(乙第一一号証)。
(3) 丸高衣料は、本件訴訟が提起(平成七年一〇月一一日)された直後に出た本件訴訟に関する新聞記事により原告商品の存在を知り、原告に対して、原告商品の販売が自己の商標権を侵害する旨のクレームをつけた(原告代表者本人)。そこで、原告は、平成七年一二月一一日、丸高衣料との間で和解し、原告商品の製造販売が丸高衣料の商標権を侵害したことを認めるとともに、当該商品の製造を中止することを約し、併せて和解金として販売価格(合計一億五二九五万三二〇〇円)の三パーセントに当たる四五八万八五九六円を支払った(甲第二〇号証)。
(4) 原告は、右和解後、原告商品の商品名及びタオルのロゴを「BEAR′S TRIO」と変更した(乙第一七、一八号証、弁論の全趣旨)。
(二) 右認定によれば、「BEAR′S CLUB」の商品名を付した原告商品を販売することは丸高衣料の商標権を侵害するものであったといわざるを得ないところ、被告は、本件において原告が不正競争防止法による保護を主張している原告商品の形態中には、丸高衣料の商標権を侵害する部分が含まれていたことを根拠に、自ら商標権侵害によって取引秩序を乱した原告に、当該侵害商品の形態の保護を求める資格はないと主張する。
しかしながら、不正競争行為の被害者に他人の商標権を侵害する点があったとしても、それだけでは直ちに当該被害者が不正競争行為者に対して不正競争防止法上の権利を主張する妨げとはならないものと解すべきである。けだし、不正競争防止法は、事業者間の公正な競争を確保するために、一定の行為類型を不正競争行為とし、それを規制したものであって、この趣旨を実現するためには、右のように解することが必要であり、また、右被害者自身の商標権侵害行為は、不正競争行為とは別個の法律関係であって、商標権者と右被害者との間において別途規律されることが可能であり、それで足りるからである。もっとも、不正競争防止法の前記趣旨からすれば、不正競争行為の被害者による商標権侵害行為自体が、単に第三者との間での別途の規律に委ねるだけでは足りず、被害にかかる不正競争行為を事実上容認することとなっても、なおかつ規制する必要があると考えられる程度の強い違法性を有する場合には、当該被害者が不正競争防止法上の権利の主張をすることが許されない場合もあるものと解される。
先に認定した事実によれば、本件で丸高衣料の商標権を侵害したのは原告商品の形態のうち「BEAR′S CLUB」のロゴの部分であり、原告商品の形態全体からすれば枝葉に属する部分であるにすぎず、また原告は、本訴提起後に丸高衣料からクレームが寄せられると、約二か月後には和解契約を締結し、商品名及びロゴを変更するとともに和解金を支払っているのであって、これらの事実からすれば、本件で原告が不正競争防止法に基づき原告商品の形態を保護を求めることは、なお妨げられないというべきである。
(三) 以上により、争点2に関する被告の主張は理由がない。
3 争点3(原告に損害は生じているか。)について
甲第一、二号証及び原告代表者本人の供述によれば、原告商品と被告商品とは市場において現実に競合しているものと認められるから、原告には、被告の不正競争行為によって損害が生じていると認められる。
被告は、原告商品が丸高衣料の商標権を侵害するものであり、その販売によって得た利益は丸高衣料への損害賠償債務として消えるべきものであるから、原告には賠償されるべき逸失利益がないと主張する。しかし、先に2で述べたとおり、原告の商標権侵害の点は、本件とは別途に原告と丸高衣料との間で規律されるべきものであり、現に両者の間では和解契約によって解決が図られ、和解金も支払われているのであるから、原告は、被告との関係では、なお賠償されるべき逸失利益があるというべきである。
4 争点4(原告が被告に対して請求し得る損害額)について
(一) 本件で原告は、不正競争防止法五条一項による損害額の推定を主張しているところ、被告が、平成七年五月から平成八年一月の間に、被告商品を販売して合計六九一八万四〇〇〇円の売上げを得た点は、当事者間に争いがない。
(二) 不正競争防止法五条一項は、不正競争行為を行った者が当該行為により受けた利益の額をもって、営業上の利益を侵害された者の損害の額と推定する旨規定しているところ、この推定は、被害者と競争関係にある不正競争行為者が、不正競争行為によって現実に利益を得ている場合には、被害者も、不正競争行為がなかったならば、同程度の利益を得ることができた蓋然性があるとの社会認識に基づくものと解される。したがって、ここにいう不正競争行為者が得た利益の額は、右社会認識に照らして、その額が被害者の損害の額(換言すれば逸失利益の額)と推定される性質のものであることを要し、不正競争行為者の得た利益の額を算定するためにその売上額から控除すべき費用も、不正競争行為によって販売されたのと同量の商品を被害者が販売した場合の被害者の逸失利益の額を算定するに当たって、どのような費用を控除すべきであるかを考慮に入れた上で判断することが相当であると解される。もっとも、被害者の逸失利益の額を算定する場合にあっても、その売上を得るためには、仕入原価の他、相応の販売費及び一般管理費(以下「販管費」という。)も必要となるのが通常であると考えられるから、特段の主張立証がない限り、不正競争行為者が受けた利益の額を算定するに当たっても、その売上額から右費用を控除するのが相当である。
原告は、販売された被告商品と同数の原告商品を原告が製造販売したとしても、人件費、製造管理費及び一般管理費が原告が実際に支出したよりも更に増額する必要はなかったとして、被告が得た利益の額を算定するに当たっては、その売上額から仕入額のみを控除すべきであると主張する。
甲第二二、二三号証、乙第二一、二二、二四、二六号証、原告代表者本人及び証人五月女永二の供述並びに弁論の全趣旨によれば、被告が被告商品の製造販売を開始した平成七年五月の時点においては、原告商品のプリント型や包装用外箱のデザインは完了していたこと、原告商品のほとんどは贈答用品の問屋及び小売店を通じて販売され、カタログ販売による販売も多少はなされていたこと、原告においては、タオル等の製造は下請業者に委ね、小熊の人形は中国から輸入し、それらを自社内で商品として完成させ、自社の物流センターから全国の問屋等に発送していたこと、原告商品の売上数の推移は、別紙「原告商品及び被告商品の売上推移表」中の「原告商品」欄のとおりであり、被告商品の売上数の推移は、同別紙中の「被告商品」欄のとおりであることが認められる(甲第二三号証及び乙第七、二六号証中、被告商品の売上数について右認定に反する部分は採用しない。)。
右認定によれば、被告商品の販売が開始される以前の時点での原告商品の最大出荷量は、平成七年三月の月間二万四八三四個であり、この限度までは下請業者の生産能力の範囲内といってよいが、仮に原告が被告商品と同量の原告商品を販売したとした場合には、月間売上量は、最高で三万一三七二個に達していた(平成七年九月、前記別紙中の「合計」欄参照。)のであるから、右によって証明された下請業者の製造能力を大きく上回ることとなり、それに伴って、諸費用を必要とすることになったと考えられる。また、右認定によれば、原告においては、タオルや小熊の人形の製造は外部に発注していたものの、商品の完成は自社内で行っており、また、完成した商品の販売は問屋や小売店を経由するのが大多数であり、それらへは原告の流通センターから発送していたのであるから、被告商品の販売量を前提にすると、それだけの売上数が増加すれば、それに伴って製造諸経費や販売諸経費、人件費等の諸経費が追加的に必要となったであろうことはほぼ明らかというべきである。
したがって、本件において被告が受けた利益の額を算定するに当たって、被告商品の売上額から仕入額のみを控除すべきであるとする原告の主張は採用できない。
しかるところ、被告が、被告商品を仕入れるために仕入代金として合計五八二六万六〇〇〇円を支払った点は、当事者間に争いがない。
また、乙第二六号証及び証人五月女永二の証言によれば、被告が前記売上を得るに際しては、仕入費用のほかに、カタログ作成費、宣伝広告費、人件費等の相応額の販管費を要したものと認められるところ、その額を明確に示す資料はないが、乙第二三号証によれば、被告が被告商品を販売していた期間を含む平成七年四月一日から平成八年三月三一日の間における、純売上高に対する販管費の比率は、一三・四〇九パーセントであったと認められることから、被告が被告商品を販売するに当たっても、同程度の比率の販管費を要したものと推認するのが相当であり、この推認を覆すに足りる証拠はない。したがって、被告が被告商品を販売するのに要した販管費は、前記売上額に右比率を乗じた九二七万六八八三円と認められる(69,184,000×0.13409 = 9,276,883)。
そして、他に被告が被告商品を販売するに当たって費用を要したと認めるに足りる証拠はないから、被告が被告商品を販売することによって得た利益は、一六四万一一一七円と認められる(69,184,000-58,266,000-9,276,883 = 1,641,117)。
(三) また、原告が本件訴訟を提起・追行するに当たり、弁護士を代理人として選任したことは当裁判所に顕著であるところ、本件事案の性質、内容、審理の経過、訴訟の結果及びその他諸般の事情を総合考慮すると、被告の不正競争行為と相当因果関係のある損害として認められる弁護士費用は、四〇万円とするのが相当である。
(四) 以上により、原告が被告に対して請求し得る損害額は、二〇四万一一一七円と認められる。
第五結論
以上によれば、原告の被告に対する請求は、二〇四万一一一七円及びこれに対する平成八年二月一日から支払済みまで年五分の割合による金員の支払を求める限度で理由がある。
よって、主文のとおり判決する。
(裁判官 小松一雄 高松宏之 小出啓子)
別紙「原被告商品比較表一(当事者の主張)」及び「原被告商品比較表二(裁判所の判断)」 省略
(別紙) 原告商品目録
左記の内容からなる「BEAR′S CLUB」と題するタオルセット(但し、本目録添付の写真のもの)
記
一 フェイスタオル一枚、ウォッシュタオル一枚、タオルハンガー一個のセット
二 フェイスタオル二枚、ウォッシュタオル一枚、タオルハンガー一個のセット
三 バスタオル一枚、ウォッシュタオル一枚、タオルハンガー一個のセット
四 バスタオル一枚、フェイスタオル一枚、ウォッシュタオル一枚、タオルハンガー一個のセット
五 フェイスタオル一枚、タオルハンガー一個、バスケット一個のセット
六 フェイスタオル二枚、タオルハンガー一個、バスケット一個のセット
図一~図六
(別紙) 被告商品目録一
左記の内容からなる「DECOT BEAR′S COLLECTION」と題するタオルセット(但し、本目録添付の写真のもの)
記
一 フェイスタオル一枚、ウォッシュタオル一枚、タオルハンガー一個のセット
二 フェイスタオル二枚、ウォッシュタオル一枚、タオルハンガー一個のセット
三 バスタオル一枚、ウォッシュタオル一枚、タオルハンガー一個のセット
四 バスタオル一枚、フェイスタオル一枚、ウォッシュタオル一枚、タオルハンガー一個のセット
五 フェイスタオル一枚、タオルハンガー一個、籐カゴ一個のセット
六 フェイスタオル二枚、タオルハンガー一個、籐カゴ一個のセット
図一~図六
(別紙) 被告商品目録二
左記の内容からなる「DECOT BEARS COLLECTION」と題するタオルセット(但し、本目録添付の写真のもの)
記
一 フェイスタオル一枚、ウォッシュタオル一枚、タオルハンガー一個、キッチンクロス一枚のセット
二 フェイスタオル二枚、ウォッシュタオル一枚、タオルハンガー一個、キッチンクロス一枚のセット
三 バスタオル一枚、ウォッシュタオル一枚、タオルハンガー一個、キッチンクロス一枚のセット
四 バスタオル一枚、フェイスタオル一枚、ウォッシュタオル一枚、タオルハンガー一個、キッチンクロス一枚のセット
五 フェイスタオル一枚、タオルハンガー一個、籐カゴ一個、キッチンクロス一枚のセット
六 フェイスタオル二枚、タオルハンガー一個、籐カゴ一個、キッチンクロス一枚のセット
図一~図六
(別紙) 商標目録
出願日 昭和六三年二月二七日(商願昭六三-二一三九〇)
公告日 平成二年三月二九日
商標出願公告 平二-二二一八五
登録 二二七九〇四七号
出願人 丸高衣料株式会社
指定商品 被服、布製身回品、寝具類
(別紙)原告商品及び被告商品の売上推移表
原告商品
被告商品
合計
平成6年
6月
2,856
7月
4,707
8月
6,599
9月
7,578
10月
8,139
11月
7,763
12月
12,409
平成7年
1月
11,393
2月
12,141
3月
24,834
4月
17,538
5月
11,370
5,696
17,066
6月
8,314
12,754
21,068
7月
14,453
3,519
17,972
8月
8,083
6,429
14,512
9月
11,084
20,288
31,372
10月
13,748
9,959
23,707
11月
11,628
10,226
21,854
12月
8,843
4,572
13,415
平成8年
1月
5,830
0
5,830
2月
7,867
-3
7,864
3月
7,892
4月
9,312
5月
5,068
6月
4,632
7月
5,572
8月
3,637
9月
4,791
10月
5,414
11月
3,659
12月
3,752
平成9年
1月
895
2月
88
3月
120
合計
73,440