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大阪地方裁判所 平成8年(わ)3095号 判決 1997年9月30日

本店所在地

大阪府富田林市中野町東二丁目二番六号

株式会社山洋

右代表者代表取締役

中谷洋

本籍

大阪府富田林市木戸山町六〇八番地

住居

同市梅の里二丁目七番八号

会社役員

中谷洋

昭和一八年一月二四日生

本籍

大阪府河内長野市旭ケ丘二五九番地の一六〇

住居

同市旭ケ丘七番一二号

会社役員

中島功

昭和一四年三月五日生

主文

被告人株式会社山洋を罰金四〇〇〇万円に、被告人中谷洋及び中島功をそれぞれ懲役一年六月に処する。

被告人中谷洋及び同中島功に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(犯罪事実)

被告人株式会社山洋(以下、被告会社という。)は、大阪府富田林市中野町東二丁目二番六号に本店を置き、綿棒・綿球等の製造販売業を営むもの、被告人中谷洋は代表取締役として業務全般を統括しているもの、被告人中島功は、被告会社の総務部付参事として、被告会社の財務書類の作成及び税務申告等の業務に従事しているものであるが、被告人中谷洋及び同中島功の両名(以下、被告人両名という。)は、共謀の上、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一  平成三年三月一日から平成四年二月二九日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億七二六三万七六二〇円(別紙の一の1修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が六三二〇万円(別紙一の2税額計算書参照)であったにもかかわらず、架空の材料仕入高を計上するなどの行為により、その所得の一部を秘匿した上、同年四月三〇日に同市若松町西二丁目一六九七番地一所在の所轄富田林税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が六四三三万六一三二円(別紙一の1修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が二二五八万七一〇〇円(別紙一の2税額計算書参照)である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定の申告期限を徒過させ、もって、不正の行為により、別紙一の2税額計算書記載のとおり、右事業年度の法人税四〇六一万二九〇〇円を免れ

第二  平成四年三月一日から平成五年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が二億五八一二万八四九八円(別紙二の1修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が九五四六万八四〇〇円(別紙二の2税額計算書参照)であったにもかかわらず、前同様の行為により、その所得の一部を秘匿した上、同年四月三〇日に前記富田林税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が九九一五万一八八九円(別紙二の1修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が三五八五万二〇〇〇円(別紙二の2税額計算書参照)である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定の申告期限を徒過させ、もって、不正の行為により、別紙二の2税額計算書記載のとおり、右事業年度の法人税五九六一万六四〇〇円を免れ

第三  平成五年三月一日から平成六年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億九〇九七万四二八四円(別紙三の1修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が七〇四六万四六〇〇円(別紙三の2税額計算書参照)であったにもかかわらず、前同様の行為により、その所得の一部を秘匿した上、同年五月二日に前記富田林税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が九一九〇万三七八二円(別紙三の1修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が三三三一万三〇〇〇円(別紙三の2税額計算書参照)である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定の申告期限を徒過させ、もって、不正の行為により、別紙三の2税額計算書記載のとおり、右事業年度の法人税三七一五万一六〇〇円を免れ

第四  平成六年三月一日から平成七年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が二億九〇五万一九九五円(別紙四の1修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が七七三八万七五〇〇円(別紙四の2税額計算書参照)であったにもかかわらず、前同様の行為により、その所得の一部を秘匿した上、同年四月二八日に前記富田林税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が九九四一万三〇一円(別紙四の1修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が三六二七万二一〇〇円(別紙四の2税額計算書参照)である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定の申告期限を徒過させ、もって、不正の行為により、別紙四の2税額計算書記載のとおり、右事業年度の法人税四一一一万五四〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

かっこ内の番号は検察官の証拠請求番号を示す。

判示事実全部について

一  被告人両名の当公判廷における供述

一  被告人中谷洋(八通、乙一ないし八)、同中島功(五通、乙一一ないし一五)、中谷洋子(三通、甲三七ないし三九)、今井徹(二通、甲四〇、四一)及び黒松孝子(甲四二)の各検察官調書

一  大蔵事務官作成の査察官調査書一四通(甲一〇ないし一八、二四、二六、二八、二九、三一)及び査察官調査報告書(甲三二)

一  登記官作成の商業登記簿謄本四通(甲三三ないし三六)

判示第一ないし第三の事実について

一  大蔵事務官作成の査察官調査書(甲二〇)

判示第一及び第二の事実について

一  大蔵事務官作成の査察官調査書三通(甲九、一九、二二)

判示第一の事実について

一  脱税額計算書(甲一)

一  税務署長作成の証明書(甲五)

判示第二ないし第四の事実について

一  大蔵事務官作成の査察官調査書二通(甲二五、三〇)

判示第二の事実について

一  脱税額計算書(甲二)

一  税務署長作成の証明書(甲六)

判示第三及び第四の事実について

一  大蔵事務官作成の査察官調査書二通(甲二一、二三)

判示第三の事実について

一  脱税額計算書(甲三)

一  税務署長作成の証明書(甲七)

判示第四の事実について

一  脱税額計算書(甲四)

一  税務署長作成の証明書(甲八)

一  大蔵事務官作成の査察官調査書(甲二七)

(法令の適用)

被告人両名の判示各所為は、いずれも平成七年法律第九一号(刑法の一部を改正する法律)附則二条一項本文により同法の改正前の刑法(以下、旧刑法という。)六五条一項、六〇条、法人税法一五九条一項に該当するところ、いずれも所定刑中懲役刑を選択し、以上は旧刑法四五条前段の併合罪であるから同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第二の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人中谷洋及び同中島巧をそれぞれ懲役一年六月に処し、情状により旧刑法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右両名の刑の執行を猶予することとする。

さらに、被告人両名の判示各所為は、いずれも、被告会社の業務に関してなされたものであるから、被告会社については、判示各所為につき法人税法一六四条一項により同法一五九条一項所定の罰金刑に処すべきところ、情状により同条二項を適用して右の罰金額はその免れた法人税の額に相当する金額以下とし、以上は旧刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四八条二項により各罪所定の罰金の合算額の範囲内で被告会社を罰金四〇〇〇万円に処することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(出席した検察官 宮田誠司、求刑被告人両名につきそれぞれ懲役一年六月、被告会社につき罰金六〇〇〇万円)

(裁判官 伊元啓)

別紙一の1

修正損益計算書

<省略>

別紙一の1

修正損益計算書

<省略>

別紙一の1

修正損益計算書

<省略>

ほ脱税額計算書

<省略>

別紙二の1

修正損益計算書

<省略>

別紙二の1

修正損益計算書

<省略>

別紙二の1

修正損益計算書

<省略>

ほ脱税額計算書

<省略>

別紙三の1

修正損益計算書

<省略>

別紙三の1

修正損益計算書

<省略>

別紙三の1

修正損益計算書

<省略>

ほ脱税額計算書

<省略>

別紙四の1

修正損益計算書

<省略>

別紙四の1

修正損益計算書

<省略>

別紙四の1

修正損益計算書

<省略>

ほ脱税額計算書

<省略>

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