大阪地方裁判所 昭和18年(ワ)808号 判決
被告は右商標権移転登録の手続については真正に作成された共有名義人連名の譲渡書、譲渡承諾証移転登録申請の委任状に基いてなされたと主張するけれどもこの点に関する被告本人訊問の結果は容易に信用し難く証人向井きく大賀義朗の各証言及び原告本人訊問の結果によればかえつて反対の原告及び参加人両名主張の事実を認めることができる。従つて右商標権譲渡及び右商標権移転登録はいずれも無効である。………
………つぎに商標権移転登録抹消の請求について考える。上記認定の通り本件商標権移転登録は無効である。そして原告及び参加人両名の共有持分権移転登録に関しては何等特別事情が認められないから被告は右三名に対し右商標権移転登録中右三名の各共有持分権に関する部分の抹消登録手続をなすべき義務があり、これを求める原告及び参加人両名の請求部分は正当として認容すべきである。
〔編註〕 本判決は、以上の判旨をもつて被告に移転登録の義務を負担せしめたものである。すなわち、その主文は左のとおりである。
原告X参加人Zが別紙目録第一乃至第三記載の各商標権について各四分の一の共有持分権を有することを確認する。
被告は原告及び参加人両名に対し別紙目録第一及び第二記載の各商標については昭和十四年三月十五日附譲渡を原因として特許局同年三月二十八日受附により別紙目録第三記載の商標については同年五月一日附譲渡を原因として特許局同年五月二十日受附によりいずれも原告X参加人Z及び訴外Aより被告に対する商標権共有持分権移転の各登録………の抹消登録の申請をなすべし。