大判例

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大阪地方裁判所 昭和23年(ヨ)56号 決定

大阪市北区堂島上一丁目二番地

申請人

山発産業株式会社

右代表取締役社長

山本清雄

右代理人弁護士

片山通夫

被申請人

右代表者

西成税務署長

堀田四一

右当事者間の昭和二十三年(ヨ)第五六号仮処分申請事件について当裁判所は申請人の申請を理由があると認め、申請人に保証として金七十万円を供託させ次のように決定する。

被申請人は申請人に対する昭和二十二年随時分、物品税壱百拾壱万九千四百弐拾四円弐拾銭の徴収は右納税義務不存在確認訴訟事案判決確定に至る迄はこれを停止せねばならぬ。

(参考)

仮処分決定申請 昭和二十三年(ヨ)五六号

大阪市北区堂島上一丁目二番地

申請人 山発産業株式会社

右代表取締役社長 山本清雄

大阪府豊能郡箕面町桜井桜ヶ丘

右代理人弁護士 片山通夫

被申請人 国

大阪市西成区南海通西成税務署内

右代表者 西成税務署長

堀田四一

物品税徴収停止処分

申請の趣旨

被申請人は申請人に対する昭和二十二年度随時分物品税壱百拾壱万九千四百弐拾四円弐拾銭の徴収は右物品税の債務不存在確認訴訟確定に至る迄之を停止す

申請の原因

一、被申請人は申請人に対し昭和二十二年随時分物品税金壱百拾壱万九千四百弐拾四円弐拾銭を本年一月三十一日限り西成税務署に納付すべき旨の通知を発し来れり

二、申請人は工場を西成区田端通五丁目二十三番地に有し染毛剤「るり羽」を製造販売するものなる処毎月右工場より移出する該製品の数量並に其価格を申告し翌月末日迄に西成税務署に物品税を納入するものなる処申請人は昭和二十一年六月十五日より昭和二十三年七月三十一日迄の間に合計壱百拾壱万九千四百弐拾四円弐拾銭の物品税を逋脱せりとして昭和二十二年十二月十九日本社所管の北税務署より告発せられ昭和二十三年一月十三日大阪地方裁判所検察庁より起訴せられたり

三、前示物品税は製造所より移出の製品の数量、其価格を申告すべきものなる処其の適正課税基準額に付ては物品税法に何等規定する処なきが税務署並に検察庁は右価格は製造販売の<公>によるべきものとなすも申請人は其中より荷造費、運搬費、荷抜、破損取換費等の諸費用を控除せる残額が適正課税基準額なることを主張し大阪財務局公認の日本優良化粧品工業協会に於ては納税者と税務署との中間に介在し納税者をして物品税申告書は協会に提出せしめ協会は其適正査定を為し其査定済なる認証を与ふるときは納税者は之を税務署に提出すべく右査定は<公>より前示諸費用を控除するものにして協会の査定開始は昭和二十二年二月一日よりにして昭和二十二年十二月末日迄其控除額平均毎月三四%なるにより前示<公>による一応の形式上の逋脱額より右三四%の控除残額即適正査定課税額に税率を乗じて算出せる真正の物品税を算出するときは真の逋脱額は極めて僅少にして目下未だ幾可なるや不明なるに拘はらず其見解を異にする北税務署の告発を受け同説を採る検察庁亦百十一万九千四百二十四円二十銭の逋脱ありとし起訴するに至れるも申請人は近く開かれんとする大阪地方裁判所の公判上に於ては其適正査定額の審理を求め其公正なる判決により果して脱税ありや決定を受けんとするものなり。

四、従つて其逋脱税額は果して幾可なりやは裁判所の公正なる判決によつて確定せらるるものなるのみならず物品税法第十八条によれば其逋脱し又は逋脱せんとしたる税金の五倍の罰金に処し(第一項)又は情状により五倍以上十倍以下の罰金に処せられ(第二項)其の何れの場合にても逋脱せる税金を徴収すべき旨定められたり(第四項)

五、而して本件起訴と共に西成税務署は直ちに前示一応の形式上の逋脱税金(起訴状記載の逋脱税金)の徴収は物品税法第十八条第四項に基きて為されたるものなり換言すれば国税徴収法に準拠したるものにあらず

六、然るに物品税法第十八条第四項による本件税金の徴収は左の事由により失当なり

イ 右税金の徴収は裁判所の判決確定により始めて其の逋脱の有無、逋脱税額の決定が為さるるものなり裁判所の確定判決以前即起訴当時には未だ幾可の税金が果して逋脱せりやの事実は未確定なり殊に申請人に於ては極力其逋脱税額に付其の独自の主張を維持しつつあるに於ておや

ロ 一面逋脱税金の納期如何といふ方面より見るも其納期は裁判所の判決の確定と同時に始めて到来するものなり本件に於ても亦未だ納期到来せず

七、申請人は西成税務署に対し以上の事実を具陳し其納付方に付懇談せるも同署は起訴と共に其徴収を為し得可しとの見解に基き其の徴収を急ぎ若し納期一月三十一日迄に納入せざるときは申請人の財産差押へを為さるるの恐多大なるにより若し斯かる不当の差押を受けるときは申請人の信用名誉其他に蒙る損害莫大にて過日回復することを得ざるものなるにより前示大阪地方裁判所の物品税法違反被告事件判決確定迄其徴収停止の仮処分決定を受くるの必要多大なり申請人は近く被申請人に対し其徴収せんとする壱百拾壱万九千四百弐拾四円弐拾銭の債務の存在せざることの確認を求める本訴を提起するに先ち本申請に及びたり

附属書類

一、資格証明書 一

一、委任状 一

一、納税通知書 一

一、起訴状写 一

一、証明証写 一

昭和二十三年一月三十日

申請代理人 弁護士

片山通夫

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