大判例

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大阪地方裁判所 昭和25年(ワ)1890号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(事實)

被告は大阪府庁勤務当時原告に宛て本件約束手形を振出し、原告は満期に呈示したが支払を拒絶せられた。

原告は右手形金の支払を求める。

被告は、本件手形振出前被告は準禁治産の宣告を受け、手形振出に保証人の同意を得なかつたから、右手形行為を取消すと抗争する。

原告は、(一)被告は準禁治産の宣告を受けていない。(二)仮に受けたとしても、被告は能力者たることを信じさせるため詐術を用いたものである等と反駁する。

(判斷)

原告勝訴。判決は被告が準禁治産の宣告を受けたことを認めたが、被告は能力者たることを信じさせるため詐術を用いたものであるとして次のように判示した。

「……被告は右手形振出の約一箇月以前に準禁治産の宣告を受け、これが確定したにかかわらず、このことを默秘して大阪府庁における勤務を続けていたし、原告に対しても些かも右宣告を受けた如き言動を示すことがなかつた上、もつぱら右府庁で執務中再三原告は会見して本件手形を振出し交付したので、原告は被告が準禁治産者であることを全く知らなかつたことが認められる。…

そこで敍上認定事実より考察すると、準禁治産の宣告を受けた被告は本件手形振出に当り、自己が完全能力者であると原告をして誤信せしむるため、自己が完全能力者と装うて勤務する府庁々舍を特に面会の場所として利用したものといわざるを得ない。かくの如きは民法第二十条にいわゆる詐術を用いたる場合に該当するものと解するを相当とする。

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