大判例

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大阪地方裁判所 昭和31年(ワ)2947号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(二) そこで、本件建物の独立性について判断する。検証(第一、二回)の結果および本件建物とその周囲の状況がその図面のとおりであることについて当事者間に争いのない別紙図面によれば、本件建物は、その北側間口五・六メートル、奥行一四・三一メートルの木造スレート葺、モルタル壁の建物であり、その西側に存する同じく木造スレート葺、モルタル壁で本件建物の約五倍の広さを有する本件西側建物とはその南側および北側において外壁および柱を共通にし、その両壁の間は後に示す五本の柱を共通にして接着しており、その内部には、その東側に南北に連続して並んでいる西向の五店舗とその前を南北に走つていて本件建物の北側にある約二・四メートルの入口とこの入口から入つて南北に走りかつ本件西側建物内を東西平行に走つてその正面入口に通ずる二本の通路に通じている同幅の通路一本とを有していること、本件建物と本件西側建物との境界は、本件建物の通路の西側に沿つて存する溝の西縁と本件西側建物をその東端で支える南北に約二、三メートルの間隔で並ぶ五本の柱の東面とが接する垂直面(別紙(ロ)(ホ)図面の各点を結ぶ直線上の垂直面)であり、それは、建物の内部からは、右の溝と柱により区別される外、外部からは、右境界面において本件建物の棟は本件西側建物の棟より約三〇センチメートル低くなつていて、本件西側建物から下屋を出している状態にあるもので、これにより区別しうることが認められ、右認定を覆すに足る証拠はない。

(三) 右で認定した事実からすると、本件建物と本件西側建物とは接着していて、ともに外観的には一個の市場経営に資しているため、その境界においても壁等による仕切はなく、両建物内での往来はその通路により自由にできる構造になつているものであるけれども、本件建物と本件西側建物との外形的区分は、建物の内部においては、溝および柱によつて、その外部においては段落のある屋根によつて可能であつてこれを物理的に区分することも両建物の境界線上にそうてある前示認定の各柱にそえてさらに柱を加えることにより容易にこれをすることができ、さらにその経済的利用関係からすれば、本件建物は、それ自体の入口と独立した五店舗を有していて各店舗毎に独立して営業するようになつていて、本件西側建物とはその個々の店舗と店舗群(市場)を形成することにより経済的な協同関係にあるものであり、本件建物およびその西側建物を建築した原告および被告市場においても、両建物を区別した独立の所有権の対象としながら、ともに店舗群(市場)を形成させてこれを経済的協同関係におくことによりその利用度を高めようとの意図のもとにその棟の高さを違える配虞を施したもので、ことような事実関係のもとにおける本件建物と本件西側建物とは、それぞれ一個の建物としての特性を具有しているものということができる。(富田善哉 鴨井孝之 和田日出光)

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