大阪地方裁判所 昭和31年(ワ)3560号 判決
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〔判決要旨〕統制賃料による家屋賃貸借契約においては、家屋の構造主体の修理は賃貸人の修繕義務に属する。
〔判決理由〕統制賃料による家屋賃貸借契約においては、家屋の構造主体の修理のほか、通常の修理は賃借人の負担とする旨の合意の成立を確認することができるけれども、本件について前記知三郎の行つた昭和二九年四月の修理は、家屋の構造主体について建物の存立に必要な大規模の工事を施したものであるから、右のごとき合意にもとづきこれを賃借人に負担させるべき場合に該当しない。このような場合、賃貸人は安い統制賃料を収受しながら、家屋の構造主体に関する高額の修理費の負担を余儀なくされ、家屋の老朽化につれて収益は減少し、かえつて負担を増大する不合理があるようにも思われるが、そのような修理は度数も少く、修理の実行によつて家屋の余命を伸長する賃貸人の利益は著しいものがあること、かかる修理費を賃借人に負担させることは地代家賃統制令の立法趣旨にも反し一層不合理があること等を考えれば、これを賃貸人の負担とすることもやむをえないというべきであつて、よつて生ずる不合理は昭和三一年四月改正の同令第七条の運用による解決をまつほかはない。(杉山克彦)