大阪地方裁判所 昭和32年(タ)32号 判決
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〔判決要旨〕頭書の場合における認知の要件は子については日本法により定められ、父については中華民国法により定められるが、中華民国民法によれば「婚生でない子を生父が養育したときはこれを認知したものと看做す」と定められており、原告両名はその生父に養育されたものであるから、原告両名はその認知を得たものと看做され法例第一八条により原告両名の認知の要件を定めるにつき考慮すべき中華民国の法律による認知の要件はすでに充足されているものというべきである。
〔判決理由〕しかして、原告両名の認知の要件は、法例第一八条により原告両名については日本国の法律により定められ、他方亡甲(仮名)については中華民国の法律により定められるところ、中華民国民法によると、「婚生の子と婚姻関係により受胎して生れた子をいう」(同法第一〇六一条)、「婚生でない子であつて生父が認知したものはこれを婚生の子と看做す。生父がこれを養育したときはこれを認知したものと看做す。」(同法第一〇六五条第一項)旨定められているから、前記認定のとおり、生父である亡甲に養育された原告両名は、中華民国法上訴外亡甲の認知を得たものと看做され、原告両名と訴外亡甲との間には婚外親子関係があるものとされる関係にあること明らかである。そうすると法例第一八条を適用して原告両名の認知の要件を定めるにつき、父である訴外亡甲につき考慮すべき中華民国の法律による認知の要件は婚外親子関係の成立要件として、すでに充足されているものというべきであり(法例第一八条は、婚外親子関係の成立原因としての認知についてのみ規定しているにすぎないけれども、その趣旨は婚外親子一般の成立要件についても及ぼすべきである。)他方、子である原告両名に関してその本国法である日本国民法による認知の要件のみたされていること前判示の事実関係に徴し明らかであるから、本件渉外認知において、原告両名の認知の要件に欠けるところはないものといわなければならない。(山内敏彦 井上清 小田健司)