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大阪地方裁判所 昭和33年(ワ)2415号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判旨〕「本件仮換地の指定が、特別都市計画法第一四条第三項により使用開始の日を別に定めるものとしてなされたものであり、現在未だ右使用開始の日が定められていないことは当事者間に争がない。

しかしながら、成立に争のない乙第一八号証(大阪市計画局長の回答)によれば、「本市(大阪市)においては、土地区画整理事業を円滑に実施するため、仮換地に使用収益の障害となる物件が存する場合は、使用収益の開始日を確定することは実際上困難であるので、障害物件の移転もしくは除却までは従前の土地を使用せしめ、仮換地が事実上使用し得る状態になつたときを以て、土地区画整理法第九九条第二項の規定による使用収益の開始日として、仮換地を使用せしめている」ことが認められるのであつて、かかる行政上の扱いからすれば、施行者において移転命令により障害物件を移転する等強制的手段に出ない限り仮換地上の障害物件を任意に移転もしくは除却することを肯んじない者に対しては、仮換地の被指定者は、徒らに手を拱いている外なきに帰し、その不当であることは明らかであるといわなければならない。かかる事例に徴しても明らかなように、特別都市計画法第一四条第三項、土地区画整理法第九九条第二項の法意は、仮換地に従前の正当な権利者が建物その他の障害物件を有し、右権利者が任意に右障害物件を移転もしくは除却せんとする場合、これを保護する必要上、右移転もしくは除却がなされるまで、仮換地権利者が仮換地を使用することを禁止したものであると解するのが相当である。

今これを本件についてみるに、弁論の全趣旨に徴して明らかな如く、被告は四三番地の一、同番地の二のうち六〇坪につき、賃借権を主張し、右賃借権に基づき、今日、尚同地を使用収益し得る旨主張しているものであつて、任意に右地上建物を移転もしくは除却する態度に出ていないことが認められるから、本件においては、前段説示に照らし、原告先代安田慶司は施行者による使用開始日の指定の有無に拘らず、仮換地上の被告所有物件の収去とその敷地たる仮換地の明渡並びに被告が仮換地を占有することによりこれを使用収益し得ないことによつて生ずる損害の賠償を請求し得るものといわなければならない。」

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