大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪地方裁判所 昭和34年(ワ)1360号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕被告田口は第一回口頭弁論期日において擬制陳述した答弁書によつて原告の請求原因事実を全部自白したが、右自白は借家人たる被告佐藤、同坂口等を本件家屋から退去明渡させる便法として原告代理人たる訴外吉田弁護士の指示によつてなしたものであつて、真実に反し且錯誤に基くものであるという理由で第一八回口頭弁論期日において右自白を撤回したことは記録上明かであるが、裁判上の自白はその自白した事実が真実に合致しないのみならず、当事者が右真実に合致しない事実を真実に合致するものと誤信してこれをなした場合でなければ、これを撤回することができないものと解すべきところ、被告田口の右主張によるも同被告は右自白した事実が真実に合致しないことを当初から認識しながら、単に借家人を本件家屋から退去、明渡させる便法として訴外吉田弁護士の指示によつて敢て自白したというのであるから、かかる場合右自白の撤回は許されないものと解するのが相当である。(幸野国夫)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!