大判例

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大阪地方裁判所 昭和39年(ワ)1219号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕過失相殺の主張について

本件道路は幅員八・八メートルの車歩道の区別のない道路であり商店街人家に面しているところ、原告は南側端から一・五メートル乃至二メートルのところを西に向つて歩行中であつたが、訴外保積<編註、被告に雇用され、自家用自動車を運転>はすでは二、三〇メートル手前からこれを現認しているのであるから、充分危険防止の措置をつくすべきであつたし、追突であることなどから原告に過失相殺すべき過失があつたものとは到底みとめられない。甲第四号証の四(見分調書)甲第五号証の一、三(保積の供述調書)の記載ならびに証人保積の供述中には原告が急に横断しようととび出したと指摘するところがあるけれども、原告本人の供述によれば、当日原告は現場よりやや先を左に入つた知人宅へ赴くべく歩行中であつて、何ら横断の必要もなく、またその事実もなかつたとするので、にわかに保積の弁解は採用しがたい。

そもそも危険負担の分配ともいうべき過失相殺の対象となる過失は、当事者間の行為の対比的評価によるべきであるから、歩行者保護の施設等の不完全な、しかも稠密な人家、商店街等に面した本件のような歩車道の別ないわが国の道路の現況、わが国の交通規制の推移変遷、自動車の危険性、などからすると、歩行者の左側通行の事実のみを以てしては公平の原則上、直ちに自動車事故における過失相殺の過失とはなしがたいところである。(舟本信光)

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